風が二十一立ち ページ22
彼らはただ黙って私の話を聞いてくれて
今も、静かな沈黙が続く
人間は醜い感情を垂れ流して、平気でそれに他人を巻き込む
私だって、例外じゃない
この過去を黙っていたのだって`嫌われたくない``まだここに居たい`という欲望
私は、優しい彼らのことを騙していたのだ
知られなかったら、噓を突き通せたら__ここにずっといられると勘違いをしていたのだ
ちゃんと、不祥事が私に帰ってきたんだ
弟を守れなかったときは、両親を失って、居場所を失った
彼らに噓をついていた今は、信頼を失って、また居場所を失うのだ
「黙ってて......本当にごめん」
顔をあげれない
皆の顔なんて、とても見れない
本当に、私はどうしようもない人間だ
あの過去から学習せぬまま、変わらず失っていく
死ぬまでに私は何回後悔して、何回失って、
......何回、失ってしまう怖さを胸に刻むのだろう
「主様、ごめんなさい......僕たち......!!」
「勝手に、主さんが`殺した`って勘違いして御免ね.....」
「あ、あの.....主様は、悪くないと思います......!!」
思わず顔をあげると、いち兄を囲んでいた彼らの立ち上がる姿が見えた
たしか、あの日に食堂にいた......
必死に言葉を選びながら話す彼ら
`まだ失ってない`
根拠のない、あてずっぽうな私の考えに笑いそうになってしまった
「悪いよ、私は悪い
皆にすぐにでも`こんな人間だ`って話すべきだったのに、ずっと黙ってた」
けど、私は彼らを否定した
自分に言い聞かせるように、ちゃんと私の罰を受けるために
きっとこのままだったら、`彼らの優しさ`にすがってしまいそうだったから
「あんたも随分と、苦しい思いをしてきたんだな」
「だからこそ、俺たちの気持ちを理解してくださって、助けて下さったのですね!!」
顔をゆがめた伽羅ちゃんのそばで、長谷部が吠える
おまけに、ハンカチで目頭を押さえていた
そんな彼を横目に、`けど`と続けた
「その分だけ、あんたは幸せになれるはずだ......いや、もう`幸せ`だったな」
`皆に心配されるんだからな`
そう言って、彼は目を細めて笑った
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アカネ(プロフ) - 三十九立ちの所で多分「お花」と書こうとしたと思うのですが、「お米」と書いております…!更新頑張って下さい、とても楽しく読んでいます…! (2018年9月8日 17時) (レス) id: e853e23932 (このIDを非表示/違反報告)
悠@ - 露草浅葱#絵描き同盟さん» お忙しい中ご返答ありがとうございます。そうですね、キャラヘイトとは異なる点が幾つかあると思います。それは私の非ですね、すみません。ですが、タグ削除等は行ってほしいとは思っています(タイトルの刀剣乱舞は消さなくても大丈夫です。) (2018年7月26日 13時) (レス) id: c35ccfc481 (このIDを非表示/違反報告)
悠@ - こんばんは、突然すみません。この小説はブラック本丸を元にした作品だとお見受けしました。しかし、ブラック本丸というのはキャラヘイトと言う犯罪になりますので、刀剣乱舞原作に関わるタグをすべて削除するか、小説自体を削除してください。 (2018年7月25日 19時) (レス) id: c35ccfc481 (このIDを非表示/違反報告)
槝 - 一気読みしました。主の正論は自分の事を棚にあげてると思いましたが前に進めている姿は良い。沖田組好きなので加州の話は読み応えあり、彼らが変に罵り合う事なくレア刀が出張る事もなく、刀剣が等しく出ていて大変楽しめた。応援してます。 (2018年7月1日 6時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年6月30日 14時