風が十九吹き ページ21
`それに`と私は続ける
「伽羅ちゃんはもうとっくに、`幸せ者`だよ」
「.......だから、伽羅ちゃ」
「君を心配してくれる人が、すぐ側にいるじゃない」
「おーけー。僕の出番かな？」
何かを察したように顔を出した、燭台切
何ていいタイミングなんだ、と思う
「み、光忠......」
「伽羅ちゃん、ごめんね
やっぱり、君を残して燃えちゃったなんて......格好つかないよね」
「聞いてたのか」
「大丈夫、もう一人にはしないって言っても......信じてもらえないのかな」
「いい、もういいから......伽羅ちゃん言うな」
ひょっとして、最初から私必要なかったんじゃないか
燭台切が突っ込んでたら、終わる話だったんじゃないだろうか
「......そんなことないよ
君がいなかったら、僕は伽羅ちゃんのことを知らないままでいた
ありがとう主、ここに来てくれて」
「......っ!!」
どうして、こんな......!!
お願いだから、お願いだから。もうこれ以上は
「......不本意だが、俺も礼を言う」
「ははっ。どうしたの、主泣きそうだよ？」
駄目だ
私はここの主だから、しっかりしないと
「光忠が泣かせたのだろう、謝っとけ」
「ええ、僕？」
泣いたらダメ
困らせたらダメ
弱いところを見せたらダメ
「......燭台切も伽羅ちゃんも悪くない
ちょっと、目に埃が入っちゃったから、涙が出っちゃったみたい」
「伽羅ちゃん言うな」
「確かに。埃っぽいから、この部屋掃除しないといけないね」
......うん、これでいい
あ、そういえば、こんのすけを探さないといけないんだった
「この後、用事あるから......じゃあね、燭台切と伽羅ちゃん」
「何度言えばいいんだ。俺は大俱利伽羅だ」
「......」
この時、私は気付かなかった
燭台切がじっと私を見ていたことを
「......どうした、光忠」
「ん？何でもないよ。さ、掃除始めようか」
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
