帰る場所護る場所 (ページ28)

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ミオクリ×デ×サムケページ28

ク｢今夜の仕事だが、かなり大掛かりだ。できる限り大勢で行く。アジトに残るのはAと、フィンクス、パクノダ。留守を頼む。｣

パ｢ええ、分かってるわ。｣

フィ｢あーあ、俺も行きたかったんだけどな。｣

ウ｢仕方ねえだろ。ジャンケンで負ける方が悪い。｣

今夜幻影旅団はマフィアの本部へ乗り込む。

狙う獲物は古代人の書いた本と、絵画。

マフィアに乗り込むということは、かなりの人数と戦うことになる。

ここ最近満足に暴れられていないフィンクスは、不満を口にしていた。

マ｢A、どうしたんだい。顔色が悪いよ。｣

フ｢体調が優れないなら、もう休んだ方がいい。｣

『そうじゃないの。ただ、嫌な感じがして。』

マ｢嫌な感じか……気をつけた方が良さそうだね。｣

『ごめんなさい、今から行くって言うのにこんなこと。』

マ｢あたしの勘より正確だからね。大丈夫、何も無ければそれでいいじゃないか。｣

マチの勘はよく当たる。
それは旅団の中では、全員が知っていた。

しかし、Aの勘はマチのそれよりも、性格だった。
特に悪いことに関して。

初めは、アジトの近くでの爆発だった。
次は、コルトピが怪我をおった。
他にも、誰かが怪我をしたり、アジトの場所がばれ爆弾が投げ込まれたり、盗んだ物が偽物だったり。

だから、マチは自分の勘よりも、Aの勘をかなり信用していた。

マ｢大丈夫、ちゃんと帰ってくる。道中に皆に言っておくよ。｣

『お願いね。』

ク｢マチ何してる。行くぞ。｣

マ｢了解。｣

各々支度が整うと、アジトを後にした。

Aは背筋を何かが伝うような感じがして、身を震わせた。

これはいつもとは違う気がする。

フィ｢おい、顔真っ白だぞ。｣

『っ、考えすぎかしら。』

パ｢どうかしたの？｣

『すごく嫌な感じがするの。皆が出かけたのにどんどん酷くなってる。』

フィ｢俺がいるんだ、何かあっても大丈夫だ。だが、お前の勘は街も信頼してるしな。警戒するに越したことはないな。｣

パ｢A、これ持っててちょうだい。好きに使っていいって団長が言ってたから。｣

パクノダは、Aに細身の刀を渡した。

形状や、大きさはフェイタンの仕込み刀によく似ているが、それよりも軽くなっていた。

『ありがとう、何も無いといいんだけれど。』

フィ｢そうも行ってられねえかもな。｣

フィンクスが睨んでいるのはアジトの入口。

フィ｢A、大当たりだ。｣