帰る場所護る場所 (ページ21)

今日:18 hit、昨日:6 hit、合計:53,094 hit

カンケイ×ハ×ナゾページ21

Aのリハビリはクロロが付き添った。

2人は基本的にお互いの円の範囲内にいた。

ノ｢あの二人はよお、恋人って訳じゃあないんだよな。｣

パ｢ええ、そのはずよ。けど……ねえ。｣

ウ｢仲が良いのはいい事じゃねぇか。気にすることもあるまい。｣

3人の視線の先には、リハビリで疲れ果てたAを抱き上げるクロロの姿があった。

ク｢今日はもう終わりにしよう。足が震えてる。｣

『お願い、あと少し。ね。』

ク｢ダメだよ。無理したってすぐには良くならないから。｣

『…分かった。早く、走れるようになりたい。』

くすくすと笑いながら会話を弾ませる姿は、A級賞金首には見えない。

前髪を下ろし、ラフな服装のクロロと、マチお手製の淡いレッドのワンピースを身にまとったAは、歳若いカップルのように見える。

ホームであるアジトの中は、甘酸っぱいような雰囲気が漂っていた。

あの二人の中に入っていけるのは、趣味が合うと言ってよく話をしているフェイタンか、クロロ不在時にAのリハビリを手伝っているフィンクス位のものだ。

パ｢団長のあんな顔、初めて見たわ。｣

ウ｢あ？……確かにそう言われてみれば、あんな顔見たことないな。なんて言うか…｣

パ｢まるで初恋してるみたいな顔よね。見てるだけでむず痒くなってくるわ。｣

ノ｢団長が初恋って、似合わねぇな。いや、団長もまだ23か……ありえるな。｣

パ｢そうね。……Aは何歳なのかしら。見た目的にはまだ10代に見えるけれどあの島で処分されるってことを考えると、かなり年上のはずよね。｣

ノブナガとパクノダは、Aの年齢に対しての討議を始めた。

ウヴォーギンは隣で聞きながら、ビールを流し込む。

ウ｢Aかぁ？29だって言ってたぜ。先週の酒盛りでフランクリンと聞いたんだ。疑うならあいつにも聞いてみろ。｣

パ｢え、29歳なの？｣

ノ｢マジか……団長知ってるのか？｣

ウ｢さあな。知ってるだろ。｣

ウヴォーギンからの意外過ぎる情報に2人は言葉を失ってしまう。

あまりにもAが若く見えすぎているのだ。
オーラの量が多いと、老化が遅くなると聞いたことはあったが、本当に遅い人間にあったのは初めてだった。

パ｢けど、いいコンビよねあの二人。｣

ク｢A、この本読める？｣

『ええ読めるわ。昔のジャポンの本ね。』

ク｢教えてくれるか？｣

『もちろん。』

そんな会話が交わされているとも知らず、2人はくつろいでいた。