二話 ページ3
「斎宮先輩っ！」
み「うあぁ！？どっから現れたん！？」
「影片くんっ！…お願いっ！」
み「……なに？」
「私と似た子っ！……ここの部活だったんでしょっ！」
み「……あぁ…Aちゃん」
「A…？っていうの…？…その子のこと教えてっ！」
み「………まだ、あかん。……お師さんに怒られてまうわ。」
「…まだ？」
み「実はな、Aちゃんの…日記持ってるんよ。手芸部は」
「日記…？」
み「……Aちゃんのな、苦しみとか思いが綴られた、日記帳」
「苦しみ…思い…？」
苦しんでたの？
私と似た子が？
Aちゃんが？
み「あはは…ホンマよう似とるわぁ…Aちゃんに」
マジマジと見られすこし、恥ずかしい。
み「Aちゃんもなぁ、茶色い髪で、…ちょうどアンタと同じ髪の長さなんよ。」
み「目の色も…そんぐらいで。」
？「おい、影片。なにそこで無駄話をしているのだよ」
み「あ、お師さんっ！」
奥から出てきたのは茶色い汚れた本を持った斎宮先輩
宗「おや、…煩いと思っていたら、居たのかね。早く出ていってもらいたいのだよ」
み「お師さん…今日も読むん？」
宗「当たり前なのだよ、これを読んでAの苦しみを一緒に味わいたいのだよ」
「あ、あのっ！それってAさんの日記ですか？」
これは、きっと口をはさんではいけないの。
けどね、私は踏み出してしまった。
さっきまであったラインを踏み越してしまった。
もう、戻れない。
宗「お前になんかAの苦しみが理解できないのだよ、何も言わないでくれたまえ」
み「お師さん…けど見せてもいいんちゃう？」
宗「お前を見ているとAを思い出すんだ…早く、僕の前から去ってくれたまえ」
「っ…！お願いですっ…Aさんのことが知りたいんですっ！」
み「お師さん…俺からもお願いや…」
宗「……しょうがない…見せてやるのだよ。」
私は、その茶色い汚れた本をもらった。
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作者名：メガネ＠ヤドカリ愛してるさん | 作成日時：2016年10月20日 21時
