孤独の城と孤独の女王様【あんスタ】 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:3,705 hit

四話ページ6

昔、絵本でみた言葉

『愛で地球はできてるの、愛がなきゃ、貴方は生まれてなんか居ないわ』

そんな言葉を小さいころは信じてた

実際、窓から見る景色からはカップルが幸せそうに歩いてたり

夫婦が笑っていたりとそれは『愛』と呼べるものだった。

城の前を通る人たちの愛を見つめて、私は愛を知ったかのようにしてた

けど私は愛を寄せられた

いつもの少年から＿…渉から。

あの日から渉はここに、来ていなかった。

来れなかった

渉が来ない日は寂しくて、本当に独りと実感する

城も、私も、『真っ白』になっていく

愛が自分によせられて、いちばん大切なものを避け続けた

孤独になれてしまった私の体が、前のように一人でいるのを許さない

だから私は彼が来てた時を思い出して動いた

彼がくる時間になったら用事をすべてすましてドアの前で待ったし

彼と話す時間は笑顔で居た

それでも彼は来なかったのだけれど

だから、私は彼を待ち続けてる私が許せなかった

自分は孤独でいなきゃいけないのに。

それなのに、彼を待ってしまう

それは、私の幸福な時間だった