第5話「先輩の尊厳」 ページ5
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一年生が2人増えたらしい。
恵くん1人しか後輩がいないと思ったら、一気に2人も増えた。合計3名。
「どうしようどうしよう!真希、私ちゃんと先輩できるかな!?」
「できるんじゃね」
「雑!ねえねえ、本当に心配なんだってばあ」
授業中なので呪具の代わりである棒を慣れたように振り回しながら真希ちゃんはぶっきらぼうに答える。そして解答は適当。
真希ちゃんってほんと、偶にとんでもなくドライになるよね!
「舐められたらどうしよう。「お前なんか先輩だと思えねえぜカス!」って蔑まれたらどうしよう……私、後輩の子にボコられたら次の日から部屋に閉じこもって登校拒否する」
「そんな事してみろ。部屋の扉ぶっ壊して引き摺り出されるぞ、イかれた奴らによって」
「まさかの複数形」
「おかか。高菜、しゃけ!」
「え?「そもそもそんな奴いたら自分が三分のニ殺しにする」?棘くん……せめて三分の一にしてあげて」
「訂正箇所そこじゃねぇだろ」
「バカかお前。知ってたけどバカかお前」と真希ちゃん。とんでもないスピードで回される棒からビュンビュン空を切る音がする。この際彼女のお言葉は無視させて頂く。
地面に指でくるくると字を描く。「優しくてこんな私を尊敬してくれる可愛くて強い女の子が入学してきてください」……書き終えたその字の上に肉球がぽん、と置かれた。
「あっ、悪いA。八極拳してて周り見えてなかった」
「パンくん……」
「何処ぞの動物園にいるチンパンみてーなアダ名付けるじゃん」
てか何書いてたのよ、とパンダがしゃがんで地面を見る。
前半の字が消えかけて、後半の字しか残ってない。
「………まあそうだな。同性が良いよな。そんで可愛いやつ」
「一体ここから何を察したのパンダ先輩」
「俺とお前同級生なんですけど」
「女の子、強い女の子……私を守ってくれる強くてとっても強い女の子所望しちゃう……」
「欲深いな〜」
一人でうんうん頷いてたらパンダは「俺もまあぶっちゃけ女の子の方が嬉しい」と同意してくれた。
隣に座っていた棘くんがチョイチョイと私の脇腹をつつき、「おかか?」と首を傾げていた。なんでここで私の願望と張り合おうとしてるの棘くん。心配せずとも君はとっても強くて信頼できる私のマブダチだよ。
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Alice - ( ,,`・ω・´)❕続きが早く見たいです!.更新頑張ってください (2023年1月29日 13時) (レス) @page40 id: 37c62558af (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2021年1月4日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - 更新頑張って!! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続きを...お願いします...!!更新待ってます!! (2020年11月17日 23時) (レス) id: 3b4652fe38 (このIDを非表示/違反報告)
おでんパン - とっても面白いですね!!更新楽しみにしてます!!!! (2020年11月12日 23時) (レス) id: 9599c9f027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨風 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月2日 17時