チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ9)

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渡辺side

渡｢いや、だから俺はまだ｢お前がどうこうじゃない｣

深澤さんが俺の言葉に被せてくる

岩｢目黒だろ？｣

岩本さんが出した名前に、深澤さんがははっと乾いた笑いを部屋に響かせた

深澤さんが振られたのには目黒が関係してるのか？

渡｢Aになんて言われたんですか？｣

ふーっと息を吐いた後、落ち着いた様子で答える

深｢.....告白は嬉しかったけど、ふっかにはもう何もあげられないって｣

渡｢いつの間に、告白してたんすか...｣

岩｢ツッコむとこ、そこかよ笑｣

いや、だって、知らなかったし

いつの間に、この人本気出してきたのかよ、とか思ったら、現に振られてるし。

深｢お前も、Aの後ろ首にあるキスマ、見たよな？｣

今日の給湯室での嫌な出来事が蘇る

湿疹なんて誤魔化せる訳もなく、あれは正真正銘誰が見てもキスマークだった

ってことは、あれを付けた相手がいるってことだ

俺も深澤さんも、それを付けた相手に負けたんだ

岩｢え、キスマークってなに？.....まさか目黒じゃねぇよな？｣

渡｢いや、それはさすがにないっすよ｣

目黒はAを家族以上に想っているけど、Aはそうじゃない

だから、そうなることは有り得ないって、心の中で信じてたんだ

なのに＿＿＿＿＿

深｢ビンゴだよ｣

俺の中に、衝撃が走る音がした