156 渡辺side ページ10
渡辺side
え、まって。
わかんねぇ。パニックパニック。
一旦心を落ち着かせようと、目の前のビールジョッキを手に持つが、生憎中身がない
ゴトンッとジョッキを置く音が、やけに響いた
深｢目黒が、少し普通じゃねぇ...｣
岩｢普通じゃないってどうゆうこと？｣
深｢Aが俺から離れたら、"死ぬ"みたいなこと言ってる、らしい......｣
安易に口にはできない"死"という言葉
非常に重くのしかかる言葉だ
岩｢キスマーク付けた、、だけ？｣
怖くて聞けない
けど、目の前で首を横に振る深澤さんが視界に入り、呆気なく知りたくもない事実を知ってしまった
好きな人が他の男に抱かれる
そんな事実を目の前で突きつけられ、完全に俺の心はズタボロだ
握り拳に力が入り、手のひらに爪がギリギリとくい込んだ
岩｢このままだと、Aも目黒もまずいことになる｣
深｢どうすりゃいいんだよ〜！！｣
考える岩本さんと嘆く深澤さん
対称的すぎる二人を見て、今俺はどんな状態なのか、疑問に思う
ただただ混乱してる
家族だった立場を利用して、無理やり傍に置くなんて、いくらなんでも....
『なんで、翔太にそんなこと聞かれなきゃいけないの？』
あの言葉は、これ以上深入りしないよう線引きされたんだ
男いんの？なんて、聞くんじゃなかった
Aの事情も知らずに、自分の嫉妬心をぶつけた
ほんとに俺は自分のことしか考えてない
なんて、最低な男なんだろう
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作者名：たまっち
| 作成日時：2021年3月14日 14時
