チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ39)

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「あーでも、今会社で家にいないから、少し時間かかるかも...」

岩『あっ、そうなの？つか、こんな遅くまで仕事してんのかよ...』

翔太と全く同じことを言うひかるくんに、思わず笑みがこぼれる

すると、隣からひょいっとスマホを奪われた

渡「岩本さん、渡辺です。俺今、Aと一緒にいるんで、俺が車でそっちに迎えいきますよ」

岩『え、まじ？一緒なの？....まぁいいや。悪いけど頼んだ』

なぜ翔太が電話の内容を知っているのか一瞬疑問に思ったが、知らない間にスピーカーにしていたみたいで、翔太とひかるくんの会話が丸聞こえだった

というか、翔太は蓮のお迎えに行くとかなんとか...

いや、さすがに酔っ払いのために車出してもらうのはまずい。

しかも、そこまで面識のない二人

翔太が迎えに行くまでの仲じゃない

「いや、ほんと...さすがに酔っ払いの迎えまで、いいよ？」

渡「岩本さんにああ言っちゃったからもう無理。早く行くぞ」

背を向けて颯爽と歩き出してしまった翔太

今の蓮の状態で翔太に会わせていいものだろうか

まぁ、酔っ払ってるから大丈夫だろう、と思いながら、不安は募っていく

駐車場に止めてあった青い車

助手席か後部座席かどっちに乗ろうか迷っていると、「助手席」とだけ言われ、ドアに手をかけた

車に乗り込むと、翔太からいつも香るいい香りが鼻を刺激して、一気に緊張感が高まった