チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ38)

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「よっしゃあー！終わった！」

今度はきちんと保存して、USBにも取り込んだ

もう二度と同じ失敗はしない....

渡「終わった？お前、一回集中すると切れないよな....」

「そう？けど、集中力はある方かも...」

時計を見ると、12時前を指している

こんな遅くまで起き待たせていたことに、申し訳なさと有難みを感じた

「ごめん。こんな遅くまで付き合わせて」

渡「気にすんな。逆に忘れ物してよかった。お前一人で帰さなくて」

その言葉に、胸がキューっとなる

恋なんかじゃない。ただ純粋に嬉しいだけ。

きっとね。

ポケットの中から車のキーらしきものを出すと、「行くぞ」と言って、イスから立ち上がった

綺麗にまとめるのは明日でいいや、と思いながら、使った資料を雑にまとめた

翔太の背中を追いながら、オフィスを出る

ブーッブーッ

私のポケット中のスマホが震えた

その音に翔太も振り向く

「ちょっとごめん」

断りを入れて、スマホを取り出すと、"岩本照"の文字が浮かび上がっていた

ちょっと驚いたけど、すぐに応答のボタンを押す

「もしもし？」

岩『あー、A？』

「どうしたの？なんかあった？」

岩『いやぁさ、目黒と飲んでたんだけど、こいつ潰れちゃって...』

「え！？今日ひかるくんと飲んでたの！？」

大きな声に翔太が、こっちを見る

てゆか、康二くんとご飯って言ってたのに。

岩『悪いんだけど、酒飲んでなかったら迎えに来れる？...家帰りたくないって言ってて...』

えっ、なんで？

私なんかした？