二番目の愛 (ページ17)

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北山side

仕事で異動してきたばっかの時だった

その日は翌日が初出社の日だったから、明日の昼飯のパンでも買いに行こうかとぶらぶら歩いていた

｢やめてください！」

｢おねーさん、一人なんでしょー？さみしーね！俺らが相手してやるからさぁー？」

仕事から帰る途中、若い女性が数人の不良に絡まれていた場面に遭遇した

周りの奴らは見て見ぬふりをしている

都会って薄情なやつらだなー

止めようと思って、足を進める

｢おい、おまえら、やめ｢か弱い女性相手に何してるんですか！」

俺の声と気の強そうな女の声が重なった

｢あんだよ、ねーちゃん。じゃあ、あんたが相手してくれんのかー？」

ぎゃはははと下品な笑い声を上げる不良たち

｢えぇ、いいですよ？」

その瞬間、一人の男の腕をひねり揚げた

｢いってぇ！！」

おい、なにすんだよ、と数人が女にかかってく

｢おい、おまえ、ら・・・・へ？」

ドラマに出てくるような刑事のような、身体さばきで次々に不良たちを倒してく

柔道なのか空手なのかわかんねぇけど、清楚な服装からは想像もつかないものだった

不良たちは観念したのか、そそくさと逃げていった

絡まれていた女性もその彼女に何度も頭を下げながら、去っていった

俺は一人呆然と立っていた

よくわからない衝動に駆られ、胸が激しく拍を打つ

今まで付き合ってきた女も今の嫁も、か弱い女の子女の子した女性だったから、あんなに強い女を見たのは初めてだった

そして、

ふぅ、と一息ついて、前髪をかき揚げる姿に惹き込まれた

そして、バチッと音を立てるように、視線が交差した

その瞬間、俺は君に堕ちたんだ