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俺には嫁がいる、守るべき人がいるんだ



と、言い聞かせ、必死に雑念を振り払った


家に帰ってからも、彼女のことばかり考えてしまう



あの、華麗な身体さばきと、一瞬だけ俺と合った芯の強い瞳が、何度も頭の中を過ぎった





そして、次の日、予想もしないことが起こった








『えー、こちら新しく赴任してきた、北山宏光くんだ。前の会社では営業成績トップだったから、お前も北山くんを見て勉強してくれ。会社の詳しい概要とかお得意先についての説明とかよろしく頼んだぞ、工藤』





え、なんで?


どうして、昨日の君が?




「私、営業部の工藤Aと申します。ここの会社では一応業績はトップクラスの方なので、わからないところがあればなんでも聞いてください笑」



ふわっとほほ笑みかける彼女からは、昨日の出来事が嘘のように感じられた


同時に、覚えてたのは俺の方だけだったんだなーなんて残念がったりもした




「こちらこそ、よろしくね。こっちに来て上手くやれるか心配だけど、工藤さんいるから大丈夫だね」


「そう言って頂けて、嬉しいです」








既婚者にも関わらず、他の女性に惹かれてしまった


そして、その相手と同じ会社なんて









俺には運命としか思えなくなったんだ

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作者名:たまっち | 作成日時:2020年1月21日 0時

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