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その声に俺は姉さんに
銀星「なんと言おうと、アンタは俺の姉さんだ。だから1回だけでいいから家に帰ってきて欲しい」
と言った
あの時の姉さんの顔を今でも忘れられない
本当にこの世に生きてるのか分からない程死んだような目で
化粧で隠してても分かるくらい隈が酷く
不良だった頃とは違った威圧感を感じた
それでニッコリ笑うんだ
『人違いなんじゃない?』
不覚にも震えた
「これ以上私に関わるな。もしそうするならお前の命はない」とでも言うほどだった
それからは姉さんは店で俺を見つける度に無視をするか他人のように接する
それでも俺は少しでも話がしたくて「姉さん、姉さん」と呼んだ
それで周りに姉弟だと思われるようになった
その度『あんな弟知らないよ。姉弟なんていない』と言う
茶化されることもあったけど
鷹見や藍、ソテツになぜか「異父姉弟」だということを知られていて
次第に俺達が姉弟だということは知られた
皆は「姉弟なんかじゃない」と言うのかと不思議そうで「何か俺が知らない理由があるんじゃないか」と結論づいた
鷹見、藍、ソテツ以外は
俺の知らない何かを知ってるようだったけど
教えてくれなかった
そしてケイまでも知っていた
ケイもあの3人と同じく教えてくれなかった
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運営「銀星さん、Aさんここを辞めるみたいです...」
銀星「え」
いつものように今日の公演に向けて調節して
その休憩中に運営くんに伝えられた
ギィ「銀星、あの人と本当に姉弟?似てるけど、匂いが違う」
銀星「父親が違うけど本当だよ」
ソテツ「追いかけて問い詰めたらどうだ?案外話してくれるかもしれんぞ」
ケイ「...いや、無理だろうな。銀星、もう関わるのはやめた方がいい」
銀星「なんで...!」
吉野「...銀星。あの人は僕でも分かるくらい危険な人間だよ。例え姉だったとしても、ここにいる間、誰にも危害を加えなかったとしてもダメだ。それにいつまでも追いかけてくるなんて、あの人を追い詰めさせてるようにしか見えないよ」
どうしても理解ができなかった
俺はただ、少しでいいから姉さんと話したいだけなんだ
黒曜「盛り上がってるな」
ケイ「何か用か」
黒曜「銀星にちょっとな。借りてくぜ」
俺は黒曜にベランダまで連れられた
銀星「黒曜!何だよ急に」
黒曜「...お前の姉貴がここを辞める理由知りたくねぇか?」
真っ直ぐ俺を見る目が突き刺さった
俺は頷いた
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珠羅(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます!制作中ですので、しばしお待ちください! (2022年5月16日 20時) (レス) id: 4ac8565e93 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年5月15日 20時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠羅 | 作成日時:2022年5月12日 0時