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四百七十五話 ページ6

詩織「えーっと、それで依頼なんですけど…。
少し帰ってなかったらおかしくなってまして、居場所(小説)が」


銀時「出張から帰ったらツレが男連れ込んでたみてェな感じでよ。

その上俺のバスローブ着てプリン食べてるみたいな?
おまけにペットもその間男に懐いてるみたいな?」



あまり気は進まないがこのまま「やっぱ依頼はありませんでした」と帰ると万事屋の記憶に中途半端に残ってしまう。

波風を立てないように坂田金時について調査したいので一般市民でいておきたんだけど。
しかし怒り心頭モードの旦那にそんな願いは通じず今にも怒りをぶつけてしまいそうだ。



神楽「うわ〜それはムカつくアルな。
ペットもどの面下げて尻尾振ってるか神経を疑うネ!」


銀時「そうでしょ〜ブッ殺したいでしょ」


『そんな不幸なアラサーの隣の絶世の美人ちゃんはどういう経緯でソイツと?
まさかその妻に見せつけるために銀パに連れられてる訳じゃないよね』


詩織「あ、いえ!私はただ旦那の付き添いで‼」



不意打ちに話しかけられ肩を揺らすが受け応えはしっかり出来た。
Aさんは記憶がなくても旦那に対する当たりは強めなんだな。

横に座っている爆発しかけの旦那に肘で数回つついて理性を取り戻せるよう試みる。



新八「まっとにかく依頼書作るんで一人分でいいので名前教えてもらえます?」


銀時「坂田銀時です」


神楽「わっ名前まで金ちゃんと似てるアル!
ひょっとして生き別れの双子の兄弟じゃないアルか⁉」



しかし火に油を注ぐように旦那と坂田金時の類似点をつつかれ、坂田金時の方がオリジナルみたいな反応が辺りに飛び交った。

見ても聞いてもいられなくて必死に視線をスナックお登勢の隅に向ける。
すると話が耳に入っていたのかカウンターにいたお登勢さんたちも会話に混じってきた。



お登勢「およしよアンタら、こんな男と兄弟にされたんじゃそちらさんもご迷惑だろ」


金時「オイオイ、ひでーなバーさん」


キャサリン「全クデス、金ヨリ銀ノ方ガヨッポド出来ガ良サソウダ」


金時「オイオイ、キャサリンまで」



そんな会話でスナック内にどっと笑いが起きた。
笑っていないのは私と旦那、そしてオレンジジュースを夢中で飲んでいるAさんのみ。



お登勢「ストレートパーマより天パの方がアンタもいいと思わないかい?」


『…私はちぢれ麺の方が好きかな!』


金時「きけよ」



この空間の疎外感から私はひっそり頭を抱えた。

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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年10月9日 22時

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