四百九十二話 ページ23
銀時「ドーロが一章、ドーロが二章、ドーロが三章うらめしやァァァ‼」
詩織「播州ドーロ屋敷はいいですって!
カラオケの修理、修理のために私たち来たんでしょう⁉」
毎度のごとくたぎる坂田金時への怒りを少しだけ発散してから、旦那に手元のカラオケを置くように告げる。
お決まりのような流れになりつつあるがそろそろ予防策を考えないと。
スマホにカラオケに…次殴るとしたら何が出てくるんだろうか。
下らない予想は一旦置いておいて、旦那がカラオケで坂田金時を殴ったことによりカラオケは画面も割れ買い換えた方がいいレベルでさっきより酷い状態になっていた。
詩織「これ、素人が手を出していいんですかね?…てやんでい」
たま「ご安心くださいサン瀬様。
コレは私がからくりにダイブするための準備ですアル」
半端な万事屋設定を維持しつつ割れた画面を覗き込むと、たまさんがカラオケに手をかざす。
なるほど、目には目をからくりにはからくりを。ここはたまさんの専売特許だ。
おそらくからくりとからくりでなきゃわからない何かがあるんだろう。
ならばこの場面はたまさんに打ってつけ、ここは彼女に任せよう。
そう期待と信頼の目を向けてカラオケとたまさんに注目すると始まった。
たま「…どうしたの、ブルー入ってんじゃん。
ひょっとしてまだ電車ジャー部長の事ひきずってるの?
やめときなって言ったじゃん、あの人奥さんと別れるつもりなんてないよ」
機械達の昼休みの一時が。
…何コレ。
OLに扮したたまさんがカラオケに向かって「TEL子ともふっくらホクホクやってる」とか「
私にカラオケの表情は到底読み取れそうにないが上手く事が運んでいると信じよう。
二人の会話、と言ってもたまさんが一方的に話すだけだけれども比較的テンポよく進んでいる。
今のところ順調に思えるがそんな空間に水を差すように坂田金時の声が割り入ってきた。
金時「待てよ、電車ジャー部長が話あるってよ」
詩織「!」
盲点だった、たまさんの理論で行けばからくりの坂田金時も昼休みの一時に干渉できることになる!
折角のチャンスだと言うのにここでも坂田金時に見せ場を与えてしまったら…。
再び頭がマイナスな思考に引っ張られようとする。
その時、一升瓶をブチまけたような派手な音が店内に鳴り響いた。
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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年10月9日 22時