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四百九十話 ページ21

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わいわいと賑わいを見せる妙ちゃんの職場キャバクラ「すまいる」。

すまいるからの依頼を坂田金時率いる万事屋が受けたとの情報が入ったため、旦那率いる定春君とたまさんと私もすまいるへと出向いていた。



「ウチ動物の連れ込みは禁止なんですが‼」


たま「私から見ればあなた達人間も皆動物ですが。
それにこう見えてこの子は私達…」



定春君の入店を阻止しようとする従業員さんの制止の声を振り払い足を進める。

入り口に一番近い席に座っていた坂田金時らに弱気になりそうだが、私が思うなかで一番のドヤァ感を醸し出しながら腕を組んで前に出た。



たま「万事屋セピアの立派な一員ですアル。ねっ、銀時様」


定春「わん‼」


詩織「おうよっ‼」



チャイナ服を着て語尾にアルをつけるたまさん、メガネをかけて心なしか知的に見える定春君、一見普通の格好に見えるが一升瓶を持っている私。

そこに通常の旦那を混ぜたら万事屋セピアの出来上がりだ。



『ん゛っ』


新八「なっ…何やってんのアンタらぁぁ‼」


神楽「定春‼たまも‼無事だったアルか‼でもそのカッコ⁉」



半ばコスプレに近い服装をしているたまさんと定春君に向かい神楽ちゃんが指摘する。
しかし驚きを隠せていない神楽ちゃんに対してたまさんは平然とした態度で告げた。



たま「私達はたまでも定春でもありません。
万事屋セピアのたまぐらと定八ですアルヨ」


詩織「サン瀬だ!バーローチキショー‼」


定春「あん‼」



わずかに残る羞恥心に耐えて、ガムシロップとみたらしを混ぜ合わせた地獄のような蜜よりも甘い解釈で自分なりにAさんを気取ろうと努力する。

けどやはり「適当にやってりゃそれっぽくなんだろ」という旦那のアドバイスのみだと…。
実物とエセの差は天と地ほどあるだろうがそこはご了承していただきたい。



新八「ですアルヨってたまさん‼何ワケわかんない事言ってんすか‼」


神楽「オイ、テメーらアルか‼
たまと定春をセピア色に染めたのは‼」


『なんか一人私と江戸っ子を履き違えてる子いない?』



混乱の末に神楽ちゃんから敵意を剥き出しにして指をさされた。
一部の呑気な人を除いて当初のようにキツめな態度が続くのは理解している。



詩織「すみません、万事屋の依頼について詳しく伺えますか」



一度最悪を味わった万事屋セピアはそう折れない。
その事を証明するため、私は妙ちゃんに声をかけた。

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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年10月9日 22時

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