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四百八十四話 ページ15

たま「お二人も、そうですよね」



しっかりと私と旦那を見据えているたまさんの優しい目。

まるで旦那を救うように、まるで旦那を地の底から手繰り寄せるように落ち着く透き通った声でたまさんは言葉を紡いだ。



たま「それは確かに金より輝きに欠けていたかもしれない、たまにしか光る事のない鈍い光だったかもしれない。

いつもいがみあっていた、いつもケンカばかりしていた。
天パだったぐうたらだったセクハラ大王だった、家賃も滞納していた給料も延滞していた」



坂田金時と対比でもしているのか五万と出てくる旦那の欠点。

坂田金時はストパーでテキパキ働いて家賃も少し多く払うぐらいには余裕がある。
これだけを見たら坂田金時を支持する人の方が多いと言えるだろう。


「でも……」逆接を持ってきたたまさんに違和感なんてものは感じなかった。



たま「金メッキでかためられた偽りの光なんかより怒る時は心から怒っていた、笑う時は心から笑っていた。銀時(アナタ)がいた、銀色の方がずっとキレイだった」



坂田金時のような子供にも分かりやすい善は万人受けはしやすいもの。
けれど不器用ながらも、欠点がありつつも精一杯差しのべられた手の方が何十倍もカッコいい。



たま「もう一度立ち上がって剣を握ってください。
金色にぬり替えられたこの世界をもう一度ぬり替えるんです‼」



たまさんが旦那に向かい洞爺湖と彫られた木刀を差し出した。
旦那の愛刀と言っても過言ではないそれが今の私には蜘蛛の糸に見える。



たま「銀時様、あなたは坂田金時になんて負けない‼
金髪になんて負けない‼ストパーになんて負けない‼金色になんて負けない‼」



木刀を地面に突き立てた後、力強く続けながら坂田金時が詐欺師面で笑っている万事屋のポスターを黒いバツで汚す。

お相手方にとっては最高の宣戦布告だろう。



たま「アナタの魂は、何色ですか」



そう問いかけると旦那は震えも迷いもない動作で洞爺湖木刀の柄を握った。
鋭い光が宿り始めた瞳にはもう嘘臭い金色なんて映っていない。



銀時「…バカどもの色が混ざりあった、うす汚ねェ銀色だ」



目線を戻してまっすぐと正面を見る旦那は雨上がりのような清々しい顔をしていた。
私も微力ながら協力させて貰おう。こっちはこっちで総長を連れ戻さなきゃいけない。

…それに、Aさんは坂田銀時じゃないとダメだから。
変に畏まっていた上司の様子を改めて思いだし怒りを募らせた。

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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年10月9日 22時

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