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四百七十話 金魂篇 ページ1

詩織side




普段より幾分か軽い足取りで万事屋前の階段を上がった。
なぜなら出張で少しかぶき町をはなれていたからだ。

神楽ちゃんに新八君に旦那、久しぶりだから会えるまでの気持ちも出張の日数に比例してはね上がっている。


外での仕事を任されるのは成長の証だが神楽ちゃんとしばらく会えなくなるのは悩ましい。
お土産はたくさん買ったし喜んでくれるかな、争奪戦にならないといいけど。

笑みを浮かべ万事屋の食卓事情を考えながら扉を開けた。



詩織「お邪魔します旦那。あ、神楽ちゃん!
仕事で時間あいちゃったけど流行りのカップケーキ買ってきたよ」



まず目には言ってきたのが神楽ちゃんの顔でカップケーキの紙袋を見せる。

きっと目を輝かせて勢いよく食いついてくるんだろうな。
そんな私の予想に反し、神楽ちゃんは私の顔を見てこう言った。



神楽「なんで私の名前知ってるネ?お客さんアルか?」


詩織「……え?」



文字通り耳を疑うような言葉に頭が真っ白になる。
衝撃やショック、悲しみが混ざり開いた口がふさがらない。

な、なんでそんな初対面の人と会ったときみたいな反応…。


そういえば前Aさんとか旦那が記憶喪失になったことがあったっけ。
わかった!きっと神楽ちゃんが記憶喪失になって今記憶を取り戻そうとしてるところなんだ。

私の知能はかなり下がっているように感じるが、とにかくそう結論づける。
そうでも思わないと今にも膝から崩れ落ちてしまいそうだ。


旦那か新八君を呼んでもらおう。



詩織「えっと、ちょっとい「わっ…あれ、お客さん?」



まずは新八君を呼んでもらおうと口を開いたらタイミングよく彼がやってきた。

一瞬驚いた様子を見せるから私の読みは当たっていたのかと安堵する。
けれども新八君は私の顔を見るなり説明ではなく接客を始めた。



新八「いっ、いらっしゃいませ。ご依頼でしょうか!」


詩織「…………」



…どうやら私の読みは的外れだったらしい。
新八君と神楽ちゃんが同時に記憶を失うなんて天文学的確率だろう。

だとしたらこれはドッキリの可能性が高い。
二人のイタズラ心が疼いて、っていうのもないことはない。



神楽「どうしたアルか?」



少しずつ心が落ち着き始めてくる。

何気にドッキリにかけられるのは初めてだな。
そんなとき、私のよく知る人物の声が聞こえた。



『どうしたの二人とも、そんなに新聞勧誘が感動的だった?』



しおりに効果はばつぐんだ。

四百七十一話→



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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年10月9日 22時

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