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#16 ページ17

初夏の暑い日 私はいつも通り
ベッドの中に居て、窓の外からは

ミン…ミン…と蝉の鳴く声


『本格的に 夏になってきたな』


度々 検診を受けたり、点滴をつける事も




『けほっ…けほっ また 血…』


最近は良く咳き込んで その度に
口から血が出てきて 恐怖と不安が


押し寄せる…『怖い…怖い…まだ死にたくない』


そう願っていつも血を拭き取っていた



『今日は 忙しいのかな…』


夏目くんに会いたい…



前よりも体力が落ちてとうとう車椅子を
使うようになって、けれども

自由に 出入り出来るようになっていた



ただ 一つ 治ってはいない事



『購買で何か買いに行こうかな
アイドル雑誌とかないかなー』



自力でベッドを降りてゆっくりと車椅子に乗り
ドアに向かって頑張って手を伸ばして


『あんまり力 入らないな…』


病室を後にして購買を目指した




『えーと あっ。雑誌系はここか
アイドル雑誌は…っと


…夏目くん』


開いて見るとそこには Switchとして
夏目くんが映っていた。


『こうやって見ると 何だか遠い存在に
見える…。何でだろ


涙が…うっ 止まらない…』



本当は 手が届かない距離に居たはずなのに
夏目くんは 皆の夏目くんで

私 一人のモノには 出来なくて


でも 夏目くんが…好きで



『…帰ろう…』



雑誌を元の場所に戻して 再び車椅子を動かす




病室のドアを開けて 前を向くと


夏目「何処に行ってたノ!心配したヨ」


大好きな人が目の前に居て



『うっ…う…夏目くん』


夏目「大丈夫! 何でそんな泣いて…」


『会いたかったの』


夏目「Aは 甘えん坊さんだネ
おいで 抱きしめてあげル」



車椅子を動かして彼の元まで行く
自力では 中々立てないから

夏目くんが支えてくれて


『何だか…夏目くんが遠くに居るような


感じがして、夏目くんは 皆の夏目くん
だから。私 一人の…』


夏目「確か二 僕はアイドルだシ
遠くの存在だト 思われても

仕方ないヨ。でモ


僕は Aの彼氏だかラ
絶対に 傍を離れたりしなイ


僕は Aが大好きだかラ…」


『うん…そうだよね ありがとう』




貴方が私に会いに来てくれる度
私は 貴方を信じられる


そうだよね 彼女だもんね


信じないと…ダメだよね ごめんね 夏目くん



私も大好きだよ!

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takuto14106843(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます!気に入ってくれて嬉しいです! (2020年5月28日 21時) (レス) id: 8fae742cd1 (このIDを非表示/違反報告)
のん - この作品凄い好きです…!良い作品をありがとうございます……! (2020年5月28日 21時) (レス) id: b1f19877ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:takuto | 作者ホームページ:http://hatunemiku  
作成日時:2020年4月21日 2時

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