カラフルなBubble

８８話　【友達】 ページ7

あのですね、虎太君。

君は人の言ったことを覚えているかい？

君は、今何している・・・。

・・・これは、あたしの錯覚でしょうか。

虎太君さっきの言葉は、嘘のように

相手選手に殴りかかろうとしている。

嘘と思いたいんだけど

大分怒り狂ってて・・・。

虎太君は弟君たちが必死に止めてくれてるんだから大丈夫でしょ。

でも、虎太君の怒ってる理由は他にもあるんだろうな・・・。

竜持君のファールしてない事件

凰壮君のイエローカードしてない事件

あぁ、あの眼、めッちゃ怖い。

まるで、獲物に飛び掛りそうな・・・、あ、まぁいいんだけどね、プレデターだし。

本当に殴っちゃ終わりでしょ・・・。

審判からの判定は








イエローカード。

貴「虎太君にだけですか」

あたしには、全く意味がわからない。

なんで虎太君にだけなのか

なんで相手は笑ってるのか

見えてたはずだよね？

相手が肘打ちしたんだよ？

見えてたはずだよね？

相手からぶつかってきたんだよ。

腐れ審判のつむじに

竹刀を打ち込みたくなった。

これは虎太君のせいじゃない。

貴「見えてましたよね！！

　この人がぶつかってきたんですよ！？

　なんで試合してる方がわかってるのに審判がわからないんですか！？

　そんなの・・・」

近くに寄ってきた凰壮君にも気付かない。

あたしの周りにいる人はあたしをどんな眼で見るんだろう。

でも、こんなの間違ってる・・・。

『審判のせいで試合が楽しくなかった』

そんな言い訳、絶対に嫌だ。









パシッ・・・。









理沙さんから喰らった一発よりも、もっと重くかわいた音が

頬への痛みを教えてくれた。

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