カラフルなBubble

８７話　【噛み締め】 ページ6

貴「てめぇ、ふざけんじゃねぇよ！」

こんな体格のいいでかい奴に、あたしは刃向かってる。

伊達に体鍛えてたわけじゃない。

貴「痛っ」

殴ろうとしたとき、振り上げた拳を誰かに止められた。

虎「やめろ」

めちゃくちゃ睨まれたけど、そんなこと、気にしてられなかった。

審判は、なにもしてくれない。

貴「はなしてよ」

睨んでも、無理矢理解こうとしても、まったく離してくれない。

逆に、力は強くなってくばっかりで

痛い・・・。

どんなに睨んでも、離してくれない虎太君に







あきらめた。



貴「ごめん、殴らないから離して」

本当は、こんなこと言いたくないけど

このままじゃ、迷惑かかるから。

イエローカードなんて、迷惑かけるだけだから・・・。

パッと離された手は赤く染まり、見ているだけで痛々しい。

相手の舌打ちには目もくれず、あたしをにらみつけた審判がいた。

目を反らしたとき、隣にいた虎太君の視線が気になった。

あたしを睨んでいるときよりも、もっときつい睨みをきかせた眼で、あの審判を睨んでいた。

貴「虎太君、ごめんね？ポジション戻ろう」

あたしからとめたけど、内心、少し嬉しかった。

ありがとう 『虎太』。

心の中で、そう感謝した。

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