其の百二十七 お色直し ページ10
「わりぃが、その手を離して貰うぜ？」
いつの間にか、薬研が
私と彼の間に入ってくれていた
「ハッ、子供が口出すな」
まぁ、見た目はそうですが
中身は君よりも何倍も歳上ですよってね
「ハハッ、俺っちも舐められたもんだな」
笑顔で私に掛けられた手を掴む、そして…
「いたたたっ！何をするんだ！」
「生憎と、雅は分からんがな
組み討ちなら任せてくれ」
軽く手を捻り上げる。
幾ら、イラついたとは言え
きっと本気は出してないと信じたい
いや、信じるとしようか。
最近背丈を気にしていたとは言え…
『駄目ですよ、その辺にしておきなさい
それにドレスが濡れたなら帰りましょう？』
「おっと、そうだった。
乱がな、もしもって渡して来たんだ」
ああ、桜柄の着物と袴ですね
華向けの場に用いる様な…
『おやおや、乱は準備が良いのですね』
「どれす、ってやつよりも
着物の方が着慣れてるんだろ？」
『ええ。一年の大半は着物ですから』
山姥切と薬研に手を取られて場を去る
『ふふ、着替えて参りますね
では…ごきげんよう』
にこり、と水に濡れたドレスなんて
物ともせずに裾を翻す。
「おー、珍しいな。大将が怒るなんて」
『私だって人ですもの。
怒る時だってある』
「怪我は無いか？アイツは誰だ！！」
『おやおや、国広。
少し落ち着いたらどうです？』
着替えの為に保健室のカーテンを借りた
勿論、彼等は反対を向き待機
シュル、キュッと
他に誰も居ない静かな保健室に響くには
十分過ぎると言う程の音
「なぁ、大将…元の生活に
戻りたいとかって思うか？」
『ふむ、何故そのような事を思うのです？』
「それは、アンタがあの女達には
俺達と違った表情を見せるからだ」
知らぬ間に、心配をかけていたのですか…
『ふふふっ、私にはね友達と呼べる
友達が居なかったのですよ。
だから、彼女達と居ると楽しい…
無論、
ただ、君達が大切なのは変わらない』
慣れたもので、もう着替え終わった
後から優しく彼らを抱きしめる
『私は変わることは無いですよ、
君達は私の家族なんだ…掛け替えのない家族
だから、そんな事言わないで下さい』
にこりと微笑みかける
私は変わらず刀が好き
美しく冷たいのに熱の籠った魂の塊
私は軽く背を押し彼らの顔は見ず前を行く
『さぁ、戻りましょう』
嗚呼、黒幕は彼だ
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マイ - 続き楽しみです！更新頑張ってください♪ (2017年7月22日 14時) (
レス) id: 5c80885bd7 (このIDを非表示/違反報告)
シオン＝ロゼリア(プロフ) - 美由紀さん» ありがとうございます！これからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2016年12月27日 2時) (レス) id: b92b75d52f (このIDを非表示/違反報告)
シオン＝ロゼリア(プロフ) - 竜菜さん» すみません！！ミスです、ご報告ありがとうございます。訂正させて頂きますねコメントありがとうございます (2016年12月27日 2時) (レス) id: b92b75d52f (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - この話めっちゃ良いですね！楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください！ (2016年12月26日 22時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
竜菜 - ……？あ？どうされました？ミスですかね…？とても面白いです！更新頑張ってください！ (2016年12月26日 12時) (レス) id: b7f7ed3109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シオン | 作成日時：2016年7月21日 21時
