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∬028 ページ30

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雨粒が窓ガラスを激しく叩いている。


まだ昼だというのに、機嫌の悪い空のせいで、部屋は夜明けの暗さと変わらなかった。




Aはテーブルの四隅に燭台をおき、ロウソクに火をともす。


「まさか君がオカルトを信じるなんて、意外だな」


ディオがAを見て言った。


「でもワクワクしてこない?」


と、ジョナサンが席につく。




三人の視線の先には、一枚の銅貨と古い紙。


紙の真ん中には『YES』と『NO』の文字が書いてあり、その下には1から10までの数字が並んでいる。




三人はコインの上に人差し指を重ねた。


Aが すう、と息を吸い込む。


「守護霊さま、守護霊さま、どうぞおいでください」


続けて唱える――「もしおいでになられましたら『YES』へお進みください」




(バカバカしい)――ディオは早く指を離したかった。




「動かないね」


「ジョジョ、静かにっ」


そのときだった。


風もないのにロウソクの火が大きく揺らいだ。


指先の力が抜け落ちる感覚がして、コインが紙の表面をすべっていく。


「おい、ジョジョ! 動かすなよ」


「違うッ。ぼくじゃあないぞ!」


「私も動かしてないわッ」


コインはぴたりと『YES』のところに留まった。




Aは(はやく!)と急かすように、アゴでジョナサンを促した。


「えっと、守護霊さま。今は西暦何年でしょうか……?」


縮こまった声でジョナサンがいうと、再び、紙の上をすべっていくコイン。


『1』



『8』



『8』



『1』


「1881年!……あ、当たってるッ!」


Aは口角を上げた。


「それじゃあ次は私が質問する番ね」


眠るように、静かにまぶたを閉じる。




「守護霊さま、守護霊さま……ディオには好きな女の子がいますか?」




窓ガラスに雨音が打ち付けられる。


青白く差しこむ光が、薄暗い部屋をシンと包んでいた。



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推しの命は私の命 - ジョナサン空気( ゚இωஇ゚) (10月15日 15時) (レス) @page43 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - 黒猫歳花さん» コメありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです(*´ω`)これからも、胸に刺さるキュンキュンを目指しながらお送りしますッ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - はじめまして、この作品を読んでいるとディオにキュンとしっぱなしで楽しいです!これからも頑張ってください(*^▽^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - おバカな傀夢さん» ありがとうございます笑 ディオのキャラが崩壊していないか不安でもあります(汗)お話も中盤にさしかかって参りました…! 引き続きよろしくお願いします(*^-^*) (2018年5月4日 12時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - おおっ!?やっと…やっと気が付いたかッ!ディオ〜!!大好きだ〜!!油電様も大好きです笑 (2018年5月3日 22時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:油電 | 作成日時:2018年4月1日 21時

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