∬019 ページ21
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「どれどれ、わからない問題を見せてごらんなさいな」
「あ、うん。ここなんだけど……」
Aはジョナサンのペンを取り上げると、ノートに数式を書き連ねた。
「この問題にはこの式を使うのよ」
「……なるほど!」
ピンとくるジョナサン。Aは彼にペンを返す。
「ありがとう A。父さんと違って君はぶたないからいいな」
「いいえ。きっとジョージおじ様はジョジョに期待をこめて厳しくしてるのよ」
ジョナサンは「そうかな?」と眉を下げる。
「ええ、きっとそうよ」
彼女の自信に満ちた瞳を見て、ジョナサンは本当にそんな気がしてきた。
と、そこへ水を差すように――「A、ぼくにも教えてほしいな」
Aの横に来たのはディオ。片手には古典の教科書を持っている。
「あら、数学の予習はもういいの?」
ディオは有無を言わさずAの隣に座った。
「ああ、範囲は全て終わらせたよ。それよりも、苦手な古典を克服したくてね。ぜひ、古典の得意な君に見てもらいたいんだ」
「ふふっ、ディオにも苦手なことがあるなんてね。いいわよ」
Aが軽やかに笑うと、ディオは心の内で弁明した――(フン! 古典など学んで将来何の役に立つ? 金にならないことに貴重な時間を割けるか)
しかし、「ちょうど古典の教科書を持っていてラッキーだったな」と思いながら、ディオはページを開いた。
「それで、どこがわからないの?」
「ここの文法のところなんだけどね――」とページの上に指を置く。
釣られてAもその文を覗き込んだ。
二人の横顔は こぶし二個分ほどしか空いていない。
自然とAの声はボリュームを抑えたように小さくなった。
ディオもそれに呼応して小さく頷く。
「A、次はこの文法なんだけど――」
時おり発せられる息の交ざった声――Aはオペラ劇場でのディオとの耳打ちを思い出してドキッとした。
一方、テーブルの隅っこにはジョナサン。
頬杖をつき、とがらせた唇の上にペンを乗せて遊び始めている。
――(ちぇッ。ディオよりもぼくのほうが出来てないんだけどな)
悪態をついていると、唇の上からペンがすべり落ち、テーブルをコツンと鳴らした。
音に振り向くA。
「ジョジョ、全然進んでないじゃない」
「うん……でも ちょっと飽きちゃったかな」
「それじゃ少し息抜きしましょう!」
Aは立ち上がり、「ちょっと待ってて!」というと部屋を出た。
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推しの命は私の命 - ジョナサン空気( ﾟஇωஇﾟ) (10月15日 15時) (
レス) @page43 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - 黒猫歳花さん» コメありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです(*´ω｀)これからも、胸に刺さるキュンキュンを目指しながらお送りしますッ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - はじめまして、この作品を読んでいるとディオにキュンとしっぱなしで楽しいです！これからも頑張ってください(*^▽^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - おバカな傀夢さん» ありがとうございます笑 ディオのキャラが崩壊していないか不安でもあります(汗)お話も中盤にさしかかって参りました…! 引き続きよろしくお願いします(*^-^*) (2018年5月4日 12時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - おおっ！？やっと…やっと気が付いたかッ！ディオ〜！！大好きだ〜！！油電様も大好きです笑 (2018年5月3日 22時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：油電 | 作成日時：2018年4月1日 21時
