∬002 ページ3
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「A、紹介するよ! 彼の名はディオ・ブランドー。
父さんの命の恩人のご子息で、ぼくたちの新しい家族さ」
「ディオ・ブランドーです。よろしくお願いします……」
ディオは軽く会釈した。
「私はA、『A・レッドフォード』よ。どうぞよろしく」
「うむ、君たちは三人とも同い年だ。
Aは二年ほどしかここに居ないが……
ジョジョ! ディオ! これからはAと三人で仲良くするのだぞ」
「はい」
「はい、父さん」
使用人たちが大きなトランクケースを運んでくる。
「来たまえ A、君の部屋に案内しよう!
ジョジョ! ディオ! 二人はそこの荷物運びを手伝ってやってくれたまえ」
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「引き出しに入ってるものは自由に使ってくれて構わないよ」
「ありがとうございます、ジョージおじさま」
「それじゃ、ゆっくりしていてくれたまえ」
ジョースター卿は部屋を出た。
――彫刻の入ったドレッサー、マホガニー製の光沢ある机、
備え付けの立派な本棚と衣装ダンス……
壁紙は淡い花柄で、床一面には赤い絨毯が隙間なく敷き詰められている。
そして大きなベッドの上には、お姫様のようにレースの天蓋(ベッドの周囲を覆う織物)が垂れ下がっていた。
「失礼します、お嬢様」
トランクを持った使用人たちが部屋に入ってくる。
「あ、その荷物はそっちに置いてちょうだい。それは向こうにお願い」
「フゥ〜ッ、君の荷物って重いね」
ジョナサンは床にトランクを置くと、額の汗をぬぐった。
「ありがとう、ジョジョ」
「……ここに置いとくよ……」
Aの近くにディオがトランクを置いた。
彼は目も合わせずそのまま無言で立ち去る。
Aも部屋を出て後を追った。
「ねえ、ディオくん!」
ディオが振り向くと、Aは廊下の壁に寄りかかっていた。
「私、ジョジョ以外の男の子と喋るのって、あんたが初めてかも」
Aはディオを見つめながら曖昧に微笑むと、そっと黒髪を耳にかけた。
キラリ――白い耳たぶから大粒の真珠が揺れる。
「…………」
ディオは瞬きひとつもせず、Aに背を向けて歩き出した。
「 !! (何よあいつッ……)」
――(この私に何の『反応』も示さなかった! 彼はどこか今までの男の子たちと違う。
『ディオ・ブランドー』……)
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推しの命は私の命 - ジョナサン空気( ゚இωஇ゚) (10月15日 15時) (レス) @page43 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - 黒猫歳花さん» コメありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです(*´ω`)これからも、胸に刺さるキュンキュンを目指しながらお送りしますッ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - はじめまして、この作品を読んでいるとディオにキュンとしっぱなしで楽しいです!これからも頑張ってください(*^▽^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - おバカな傀夢さん» ありがとうございます笑 ディオのキャラが崩壊していないか不安でもあります(汗)お話も中盤にさしかかって参りました…! 引き続きよろしくお願いします(*^-^*) (2018年5月4日 12時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - おおっ!?やっと…やっと気が付いたかッ!ディオ〜!!大好きだ〜!!油電様も大好きです笑 (2018年5月3日 22時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:油電 | 作成日時:2018年4月1日 21時