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∬024 ページ26

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『ビリッビリィィッ』


Aは拾い上げた破片で、なんと自分のスカートを切り裂いた。


「 !! 」


ディオの左手にスカートの切れ端をあてがう。


破けたスカートの間から、Aのやわらかな素肌が見えてしまっていた。


――(こいつ、何のためらいもなくスカートを破いたぞ……! この前の洋服チェンジなんとやらで恥じらっていた女が、このディオの傷の手当てをするために!――)


心臓が高鳴る。


沈黙のくすぐったさの中で、ディオはAの指先をじっと見ていた。


――(もし、怪我をしたのがおれではなくジョジョだったら……こいつは同じことをしただろうか?)


ディオの手の甲で、布の両端がキュッと結ばれた。


「さ、これで大丈夫よ。そのうち血も止まるわ」


「ありがとう……」


左手に巻かれた真紅の布――ディオの手の平には自尊心が満たされる感触があった。


ジョナサンが二人を急かす。


「早く帰ろう! 日が暮れてしまうよ!」











夕焼けに染まる平原、馬のシルエットが二つ。


Aはびりびりのスカートを風になびかせながら、馬の手綱をしっかり握っている。


「ディオ、しっかり掴まってなきゃダメよ?」


「……」


ディオは両腕で輪を作ってAを抱きしめた。


Aのふわふわな黒髪にディオは片耳をくっつける――石鹸の匂い。


意識しなくても、Aの体温が心臓に伝わってくる。


ディオは心の中で(フン!)と鼻を鳴らした。











《ジョースター邸》

「Aは他人様から預かっている大切な令嬢なのだぞ! ジョジョ、ディオ! 二人とも部屋へ入っとれ! あとで罰を与えるッ」


「ジョージおじ様、それは違いますわ! 言い出しっぺは私です。そのせいでおじ様の大切な家族に怪我をさせてしまいました。罰ならこの私にッ!」


ジョースター卿は頭を抱えた。


「……それでは三人とも罰を与えるッ! 罰として邸内の掃除だッ。そして二度と危険なことはしないと誓いなさいッ」


『はい』


三人の反省した表情を見て、卿はやさしい声で訊ねる。


「それで、退治できたのかね? 野犬は」


三人はキョトンとした顔でお互いを見合わした。


「そうか、残念であったな」


卿がくるりと背中を向ける。


三人は再び顔を見合わせると、クスクスという笑いをこぼした。


「しーッ」――ディオが人差し指を唇に当てる。


「しーッ!」――ジョナサンとAも人差し指で秘密のポーズを真似した。




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推しの命は私の命 - ジョナサン空気( ゚இωஇ゚) (10月15日 15時) (レス) @page43 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - 黒猫歳花さん» コメありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです(*´ω`)これからも、胸に刺さるキュンキュンを目指しながらお送りしますッ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - はじめまして、この作品を読んでいるとディオにキュンとしっぱなしで楽しいです!これからも頑張ってください(*^▽^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - おバカな傀夢さん» ありがとうございます笑 ディオのキャラが崩壊していないか不安でもあります(汗)お話も中盤にさしかかって参りました…! 引き続きよろしくお願いします(*^-^*) (2018年5月4日 12時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - おおっ!?やっと…やっと気が付いたかッ!ディオ〜!!大好きだ〜!!油電様も大好きです笑 (2018年5月3日 22時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:油電 | 作成日時:2018年4月1日 21時

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