第三十夜 希望�� ページ30
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隠し通路から這いでると、そこは小さな部屋だった。
だが、女の子を追いかけるより真っ先に、私はジョルノのほうを振り向くと、
「スッパツだから」
「べつに、見えてないけど」
「ううん、スッパツだから」
その点に関しては私は必死だ。
「ここは――」
私のテンパリを華麗にすり抜けて、ジョルノは扉の鍵をあけた。
「管理人室だったか。だが鍵は内側からしかかけられない。すると、女の子はこの部屋のどこかに隠れて――」
｢ジョルノ、これ｣
私は机のうえにおいてあった手紙をみせた。
｢宛先は〈レナート･スカルピ〉……男性の名前よ。住所はここ、クロックホテル。手紙の消印は1992年8月……｣
｢バーで見つけた新聞記事の日付より前のものだ｣
ジョルノが顔を寄せてきて、二人で紙のうえの同じ文字を追う。
――手紙にはこう書かれている。
やあ、調子はいかがかな?
こちらは家族でバカンスを楽しんでおるよ。
せっかくの8月だっていうのに、ホテルの管理を頼んでしまってすまない。
その代わりといったら何だが、庭のガレージは好きに使ってくれたまえ。きっといい作品が描けるよ。
それから、バーにあるワインはサービスしておこう。
君も家族と良い夏を。
｢レナートという男性は夏の間だけ、ここの管理人を任されたんだ。家族をいっしょに連れて｣
｢そして運悪く、逃亡中のアイツに殺されたってわけね｣
｢A、追記をみて｣
追記
ときどき、このホテルに泊まった客の中に、奇妙な夢を見るという人がいる。
その全員が共通の夢を見ているんだ。
それはホテルが迷路のように入り組んで、出られなくなるという夢らしい。
｢出られなくなるって、まるで今の私たちみたい｣
｢A、このレナートという男性、君の父親なのでは｣
｢いま何て……?｣
｢9年前の8月、君は両親とここにいた｣
｢そんなはずはないわ。だって、レナートなんて名前知らないもの。私の父の名前じゃあない｣
｢たしか、Aは祖父母に育てられたんだよね。これほど凄惨な事件……被害者であるというショックから君を守るため、祖父母が父親の本当の名前を偽って教えていたとしたら?｣
｢嘘。そんな……だって、両親は交通事故で――｣
言いかけて、私はハッとなった。
(交通事故で亡くなったという話は祖父母から聞かされたこと。もしジョルノの言うとおりだとしたら)
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油電(プロフ) - アカネさん» コメントありがとうございます!大変お待たせいたしました、更新しました…!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年9月28日 23時) (
レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2018年9月22日 22時) (レス) id: aae61b7350 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - アカネさん» コメントありがとうございます…!自分なりに丁寧に書いているので、ペースが遅いですが、これからも応援よろしくお願いしますm(__)m (2018年7月31日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - すごく面白いです。続きを期待してます。 (2018年7月31日 19時) (レス) id: aae61b7350 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - ほとまさん» ありがとうございます!! もっとジョルノのかっこよさが伝わるように、更新がんばります(*^-^*) (2018年4月27日 9時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：油電 | 作成日時：2018年3月21日 11時
