第三夜 セッテン ページ3
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――『ジョルノくん』
たしかに彼女はそう言った。
「ジョルノ…? ジョルノって、あの『ジョルノ・ジョバァーナ』? 」
彼女は赤らめた顔で微笑む。
「うっそー! 興味ないって言ってたくせに〜」
「違うの!
発表会で弾く課題曲が ジョルノくんの雰囲気にディ・モールト(非常に)似ているのよッ。
いいえ、彼そのものだわッ! あの曲は! 」
「ふぅ〜〜ん。それで、弾いているうちに彼に恋したってわけか。
そういうのって、音楽に懸ける情熱と 恋の情熱とを勘違いしてるんじゃあない? 」
「いいえ、この気持ちに偽りなんてないわ……」
「やめとけ! やめとけ!
彼、女の子のことなんて腐った魚を見るような目でしか見てないじゃん。
私の合唱部の後輩も冷たくあしらわれてる。
きっとロクな恋できないってェ〜」
「ジョルノくんって物静かで控えめに見えるのに、学生服の胸元は開いているのよ。
大胆! ギャップがたまらないわっ。
それにルックスもイケメンでしょ? 金髪が超〜イカす。
たとえるなら……そう、ダビデ像!
でも 周りの女子どもが鬱陶しいのよねェ。
あいつらとは気が合わないわ。
そんな女子どもをホコリのように追い払うジョルノくん、痺れるゥっ」
「……(ぜんぜん聞いてないし)」
「っというわけで、これジョルノくんに渡してね」
「自分で渡しなさいよ。こういうのは自分で渡さなきゃ」
「エッ! それはダメ!
もし受け取ってもらえなかったら、アタシ演奏なんてできなくなる。
きっとダメになってしまう…
だからA、あなたにお願いしたいの。信頼できるあなたに。
ジョルノくんが受け取ってくれなかったら、そのまま処分してくれて構わないから。
ねっ、お願い!」
「えぇ〜っ」
「あんた1年生のときジョルノくんと同じクラスだったでしょ。さらっと渡してきてよ」
「同じクラスって言っても、ひと言 二言しか話したことないよ?
私のことなんて向こうは覚えてないと思う…」
「それでも接点があるだけマシじゃないっ。お願いアタシたち親友でしょォ〜」
泣きそうな彼女に抱き着かれて、私は渋々OKした。
「あ、でもこれ渡すのさ 合唱部の活動が終わってからでいい? 」
「…構わないけど?
てか あんた、頭痛は大丈夫なの? 」
「平気 平気。それに 私が伴奏しなきゃ誰も弾けないから」
「まっじめ〜! 」
私たちは保健室を出ると、それぞれ別の方向に歩き出した。
――『音楽室』へ。
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油電(プロフ) - アカネさん» コメントありがとうございます!大変お待たせいたしました、更新しました…!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年9月28日 23時) (
レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2018年9月22日 22時) (レス) id: aae61b7350 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - アカネさん» コメントありがとうございます…!自分なりに丁寧に書いているので、ペースが遅いですが、これからも応援よろしくお願いしますm(__)m (2018年7月31日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - すごく面白いです。続きを期待してます。 (2018年7月31日 19時) (レス) id: aae61b7350 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - ほとまさん» ありがとうございます!! もっとジョルノのかっこよさが伝わるように、更新がんばります(*^-^*) (2018年4月27日 9時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：油電 | 作成日時：2018年3月21日 11時
