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143話 ページ47

シャロットからの知らせを受け、Aは急ぎ煌に戻った。
あの情報が本当ならば、紅炎達は正気を失った(あわ)れな兵士達と戦わなくてはいけない。
紅炎達の心痛は如何程(いかほど)のものだろう。

「ただいま!紅炎!紅炎はどこ?」
慌ただしく魔法陣から抜け出そうとすると、様子がおかしい。
(かんむり)をつけた臣下達が膝間付(ひざまづ)いてAを迎えたのだ。

「何?」
「妃殿下。寿(ことほ)ぎを申し上げます。」
「は?」

寿ぎ?
この緊急時に何を言っているのか。

「吉日。紅炎様がご即位なさりました!」
「はぁ??」

即位。
要するに、このバルバッドで、紅炎は我こそが王であると名乗りを上げたということだ。
嫌な予感がする。
正式な血統を宣言した白龍と強引に煌の皇帝名乗った紅炎。

民達の心は果たしてどちらに傾くのか、異国民のAには見当がつかなかった。

紅炎には、これまでの実績(じっせき)がある。

大丈夫だとは思うけど、民というのは、時に血統を当人たちより重んじることがある。

それに。

兵達が城からいなくなっている。
まさか、戦に向けて兵士達の移動が始まってる!?

「ちょっと!アルガン島が大変な時に即位って何!?」

勢いよく軍議室の扉を開いたAに、紅炎は動じなかった。
知らせが入っていたのだろう。

()えるな、(うるさ)い。」
「白龍が皇帝を名乗っている以上、こちらも正当な権利を主張するのは当然のことです」

(よろい)(まと)い、人相の悪いオヤジたちの中で、普段通りの紅明が逆に目立っていた。

そうかも知れないけど、言葉にできないモヤモヤが巻き起こる。
そう言えば、主だった将達がバルバッドに召喚(しょうかん)されているというのに、紅覇、紅玉、白瑛がいない。

やはり、軍が動いているのか。

「他の金属器使いは?」
「持ち場を守っていただいています」

やはりそうだ。
戦が始まるまで、もう時間がない!!

「あ!そうだった!!情報があるの!」

Aはシャロットから聞いた事を話すと「お前、その情報をどこから仕入れた」とかえって嫌がれた。

「私にだって色々ツテがあるの」と言って誤魔化(ごまか)したが、後で追及(ついきゅう)されそうで怖い。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年3月27日 20時

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