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134話 ページ38

「マグノシュタットは再興(さいこう)真っ只中(まっただなか)だから、そんなに国を空けられないでしょ?アルパの医療技術は進んでいるし、経過を見守らないといけない患者に対応できると思うの。」

シャロットでも人命救助(じんめいきゅうじょ)を断りはしないだろう。
「輪をかけて、七海連合加盟国がアルガン島に関与する事になるけど、許して」
『妃の里だ。誰も強くは反対しない』

会話の雰囲気が終わりに近づいていく。
そこで、大事なことを伝え忘れていることに気がついた。

「あ!待って!!紅明に、アンナちゃんが待ってるって伝えて!」
『おい』
「わかってる!簡単に国を空けられる状況じゃないのは。でも・・・、伝えて。」
『わかった。アランの件はこちらも探らせる』

うん。と、小さく頷く。

『頼んだぞ』

真っ暗になった画面と、音がしなくなった魔法具をじっと見つめた。

もっと話しがしたかった。




翌日、晴れ渡った空の下、Aは炊き出しに加わっていた。
病人食まで作り終わり、アイラの元に戻ると、いくらか落ち着いた様子のアンジェが、ぼんやりアイラの横に座っていた。

「アラン君。今日は大好きなオムライスにしようか」

行儀(ぎょうぎ)よくテーブルに座ったアランは、可愛らしく首をかしげた。

「おむらいす??」
「卵でごはんを包んだ料理だよ」
「ぼく、おむらいすいんない。きゅうり、たべる。」

丸々一本をザルから拝借(はいしゃく)したアランは、しゃくっといい音を立てて胡瓜(きゅうり)にかじりついた。
普段なら、食事前に!と、叱りつけるところだが、こうやって隣で元気に笑っている。
それが何よりだった。

「じゃあ、ハンバーグにする?」
「はんばーぐ・・・?おにく?」
「うん。好きだったよね」
「ぼく、おにくいんない。」
「ゴメン、Aちゃん。私達もお肉はいらないかな・・・。その血とか見たくないの」
「あ、ゴメン!そうだよね。気がつかなくてごめんね」

いいの。と、首を振ったアンナの横で、アランは2本目の胡瓜に手を伸ばした。
お腹は空いているらしい。


「じゃあ、お野菜中心に何か作ってみるね」

さて、何がいいだろう。消化に良いようにスープとかがいいだろうか。
うーん・・・。

「ぼく、おてつだいするー。おやさい、ごしごしすればいい?」

ジャガイモを手に取ったアランは、(そで)をまくろうとするのだが、上手くいかない。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年3月27日 20時

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