131話 ページ35
「今のアランがわかるのは家族のこと、島民のことくらいだ。紅輝や章妃のことはわかるみたいだけど、安定しない。ハルが死んだことは、アランに大きなショックを与える可能性があるから、治療のために別の場所にいるとしか伝えてない。アランはもう、なんの役にも立たない、ただの子供なんだ」
アイラの言葉に、胸騒ぎを感じた。
『なんも役にも立たない、ただの子供』
そんな言葉を、安心したように話しているからだ。
「Aちゃん。紅さんに言われてここに来たんだね」
頷くと、アイラはなにやら決意したようにこちら体を向けた。
「紅さんに、もうアランに会わないで欲しいと伝えてくれないかい？」
「え？」
「
ぐるぐるアイラの言葉が頭をよぎる。
アランの人生が変わってしまった。
それはきっとアラン君だけじゃない。
私と紅炎がこの島に来なければ、ヨガに襲われることも、白龍に襲われることもなかった。
島民達は質素だが、
アイラの言葉が重石のようだ。
どこをどう歩いてきたのか。
とにかく、目的の人物をようやく見つけた。
「シン」
「来ていたのか。」
そうはいってもあくまで
テントの隣には山のような救援物資が積み上げらえていた。
「これは、シンドリアからの救援物資？」
「いや、レームからも届いている」
「レーム？なんで？？」
「さあな。薬草に食料。必要ならば、人員の協力も惜しまないと、丁寧な手紙が司祭のティトスから届いている」
「ああ。だから、マグノシュタットから魔導師達が」
「一つ返事で駆けつけてくれた。」
どうでもいい話で、
何故、シンドバッドが白龍に襲われたアルガン島の救援に駆けつけられたのか。
それを聞けば、アルガン島で何が起きたのか、大体の
「どうした？」
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