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100話 ページ4

「A様、バルバッドから最も近い駐屯地(ちゅうとんち)から兵が到着しました!!数は、50!」

速い!!
おそらく、事態を聞きつけて即座(そくざ)に決断を下したのだろう。

「すぐに城に受け入れて、状況報告を!!」
「はい!!」
「翠!」
「は、はい!!」

突然、名前を呼ばれて、翠は転がるように王座の前に(ひざ)まづいた。
目の前で起こっている事を現実と(とら)えれば捉えるほど、恐ろしくて仕方がない。
(おび)え目がそう言っている。

「これから城は兵士達でごった返す!食料や寝床の準備を!!備蓄倉庫並びに空いている宮を宿舎(しゅくしゃ)としての解放を許可をします!」
「お、お待ちください!それは・・・!」

反論を口にしたのは、古参(こさん)官吏(かんり)達だったが、Aはそんなものに構っているヒマはなかった。

「状況は常に動いてる!紅炎、紅明がいないんだから私に従いなさい!」




アルパ国の王城中庭では、多くの動物が飼われている。
放し飼いなので、肉食獣(にくしょくじゅう)はいないが、人を怖がることはない。

その中央で、ピクニックをするようにシートを広げ、軽食や飲み物が置かれていた。
それを囲むのはアルパ国のロイヤルファミリー。シャロットとパットだ。

「ほら。コレット、(うさぎ)が来たよ」

物珍(ものめずら)しそうにじぃっとコレットがうさぎを見ている。
自分の言葉にコレットが反応してくれる。それだけでシャロットは満足だった。

ちょんちょん飛び跳ねながら近づいてくるのを見て、うさぎさん!とはしゃぐように、コレットは「あぅ」と手を伸ばした。

「コレットはお利口さんですね!」

前のめりでコレットの様子を伺っていたパットは、赤ん坊に触ったことがないので、恐る恐ると言った様相(ようそう)だが、仲良くなりたい。という努力は透けて見える。

「コレット。うさぎさん好き?」

パットが手を差し出すと、うさぎはくんくん匂いを()ぐようにして近づいて来た。
警戒しないように、そっと抱き上げるとふわっとした毛並みが気持ちいい。
手から伝わってくる温もりが、命を知らせてくれる。
コレットにもそれをわからせてあげたくて、近づけてみると、コレットは物怖じせず、一生懸命差し出してきた。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年3月27日 20時

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