120話 ページ24
申し訳なさそうに目を伏せたチャムスを、アランは力一杯抱きしめた。
夜空の景色が開け、光が目の前に迫ってくる。
「またね、ちゃむす!」
ぱちっと目を開けたアランは、一体目の名を呼んだ。
「ぼくをなおして!ふぇにくす!」
ピュイィイイ!!
《 同時刻・バルバッド 》
本国から駆けつけた兵士達でバルバッドは、ごった返していた。
それで大きな混乱が起こらずにいるのは、さすがの
その中心部にそびえ立つ、バルバッド城。
これから起こる戦に備えて、軍議が行われている部屋に紅炎はいた。
「連絡が
ピュイィイ!!
突然のことだ。
鳥ではない。
鹿か馬か。
そう言った
の動物の鳴き声だ。
気のせいにするには、鮮明すぎるその『音』に紅炎は顔を上げた。
「兄王様?」
窓の外を見てもそんな生き物は見当たらない。
「・・・いや。」
気のせいか?
それにしては、何か・・・。
「続けてくれ」
「ハッ。本国に残っている兵からの報告によりますと・・・」
気を取り直し、会議に集中しようと書面に目を通そうとした時、フェニクスが宿る金属器が輝きだした。
「なっ!?」
『ぼくをなおして!フェニクス!』
金属器から聞こえてきた声に
「紅炎様!一体何が!?」
突然のことに場がざわつき出した。
紅炎の態度から、今の現象に紅炎の意図は全く
「兄王様。今のは一体」
あの声は・・。
「アラン」
「は?アラン??」
「アルガン島はどうなっている!」
「は??」
白い鳥が、待ちに待ったように優美な羽を羽ばたかせ、アランの周囲を舞った。
瞬く間に、アランの傷が
「ありゃ、フェニクスだな」
「まさか、本当に他者のジンを呼び出したというのか。」
「ぱいもん!!」
わずかな時間さえ惜しむように、アランが更なるジンを呼び出した。
アランの周囲に風が巻き起こり、人型をとる。
『ふふ。私を呼ぶなんて、見る目があるじゃないの。坊や』
「あのふたりを、しまのそとにおいだして!!」
『お安い御用!!』
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