115話 ページ19
こわいふりしてれば、あっちいくかも!!
こわいこと!こわいこと!!
えーと、えーと!!
怖い事を思い出そうとして、さっきまで目の前に広がっていた家族の姿を思い出した。
死んでしまうかもしれない。
背筋を
「うぅううう!ふぇええええん!あぁああああん!わぁああん!あぁああああん!」
「うわっ!!なんだなんだ!?いきなり泣き出したぞ!」
泣くのも得意技である。
突然場を支配し始めた子供の泣き声に、ジュダルはビビり出したが、白龍はアランに無関心だ。
「とぉおおちゃぁああん!にぃいちゃん、どこぉおお?えぇええん!!」
アランはアグラ達を探すふりをして、
ひっくひっく、肩を震わせていると、じっと白龍がこちらを見ているのに気がついた。
・・・?
「もういい。もう一撃すればジンの居場所がわかるだろう」
びくっとアランの体が飛び跳ねた。
もう1度さっきのような攻撃をされたら今度こそ終わりだ。
ぐいっと涙を
が、小柄なアランでは、白龍がよろめく程度の力しかない。
「ここはぼくたちのしまだよ!でてって!!」
「おーおー。さっきまでのは泣き真似か?
「あっちいって!!」
えいえい!とパンチを繰り出すが、ジュダルはケラケラ笑いながらそれを受け流した。
「すぐに、こーえんくんたちがたすけにきてくれるんだ!おまえたちなんか、やっつけてくれるんだ!」
「きーたか?白龍。紅炎は正義の味方かよ!だははは!おもしれーガキだな!!大体、どうやって知らせるつもりだ?屋敷の魔法具は真っ先に
「え!!」
「ぶはっ!!見ろよ、白龍!動揺してるぜ!ぎゃははは!」
「んとんと。ぼく、かんがえるから、ちょっとまってて!」
「だははは!!」
「くだらない。紅炎は
「おい。白龍?」
金属器が鈍く光ったと思えば、植物が
「わぁあ!!」
「紅炎は簒奪者だ」
「さんだつ・・・?ぼく、むずかしーことばわかんない!」
どこまでも堂々としたアランに、ジュダルは再び腹を抱えて笑いだした。
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