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111話 ページ15

「関様!!」
「お?迎えじゃね?おーい。こっちだ」

近づいてきた兵士たちに、アギルが合図を行うと、何故かアグラがそのメンツをみて、がくっとうなだれた。

「ばかたれ!!お前らも、剣なんか握るんじゃねぇ!国に母ちゃんや嫁が待ってんだろ。戦うな!逃げろ!!命は大事にしろ」
「そーだ、そーだ!皆んな、(くわ)持っている時の方がカッコいいぞー!」

どこまでいっても、この家族はこの家族らしい。
お互い顔を合わせ、力が抜けたように笑い出した。

「で?あいつらこんな何もねぇ島に何の用だ?」

素朴(そぼく)すぎるアグラの疑問に、誰も答えを持ち合わせていないところがイタイところだった。



上空からも関が間一髪(かんいっぱつ)のところで救出されたのが見えた。

「チッ。わらわらと。」

関の元に駆けつけるものがいる一方で、全く別の場所に向かって馬を走らせる兵士たちが数名。

「おーおー。紅炎達を呼びに行くつもりだな」

それも楽しそうだと思う一方で、まだ早いと感じる冷静な部分もある。

「紅炎達が来たら、ここが戦場に変わるだけだ」

白龍の声に苛立(いらだ)ちが(にじ)むのと同時に、金属器が黒い光を放ち始めた。

「一気に片付けてやる」

破壊。
良心も慈愛もない白龍の姿に、ジュダルは恍惚(こうこつ)と笑った。

「極大魔法・・・!」




白龍の金属器が黒い光を放とうとする瞬間、傍観(ぼうかん)を続けていたアランが鳥肌を立てた。

「アラン?どうしたの?」
「みんな、ふせて!!はやく!!!」

アランが叫んだのと同時だった。
アランの巾着から現れた星型の光が島を(おお)い、次の瞬間、激しい爆音とともに世界から色が消えた。



どれくらいの時間が経っただろう。
気を失っていたアランは、目を覚ました。

「うぅうう。あたまいたぁあい!」

その言葉の通り、アランが頭を抱えて起き上がると、アランに覆い被さっていたアンナの体がずるりと崩れ落ちた。

「ねぇちゃん?どーしたの?ねぇ。ねぇちゃん」

体を揺さぶってみてもアンナは目を開けない。

「おきてー?ねぇちゃん?」

顔を上げて状況を把握(はあく)した。
アンナは、アランを抱きしめたままの体勢で吹き飛ばされ、家の柱に体を打ち付けたのだ。

理屈(りくつ)じゃない。
アンナは危険な状態にある。

姉を失うかもしれない恐怖が、ぞっと背筋を通った。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年3月27日 20時

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