59話 ページ9
『ごめんなさい。私に残された力ではもう・・・』
『僕達が出来ることはやった。あとは今を生きる子供達が決めるべきだ。未来をどうしていくのか』
アオバに伸ばされたナムの手は、触れることなく風のように消えていった。
翌朝のバルバッド城には、庭を散策する色とりどりの鳥達が集まっていた。
いつだったか、章妃が気まぐれにエサをやっていると、こうして集まるようになったのだ。
その鳴き声を聞きながら、紅輝は廊下を歩いていた。
戦が始まる気配を見せてから、紅輝も将軍として煌に戻っていたのだ。
「
「来ましたか。紅輝」
巻物や書物が山積みになった部屋に入ると、マグノシュダット周辺の地図が真っ先に目に入った。
・・・叔父上が、今更こんなものを?
マグノシュダット攻略の戦法ならば、念密に計画されているはずだが。
不思議に思いながらも、レームの
「やはり、私も出陣でしょうか」
「いいえ。貴方は私と共に待機です。」
またか・・・。
紅輝の顔色が
進んで命のやり取りをしたいわけではない。
けれど、常に待機というのも受け入れがたい。
ふっと紅明は笑みを浮かべた。
「本陣であるバルバッドを守護するのも大切な勤めですよ」
「承知しています」
「それにしては不満そうですけどねぇ。」
「からかわないでください」
「ふふ。アランに
何故この話の流れでアラン??
「あの子は好戦的ですからねぇ。紅覇と同じで前線に出て行かないと気が済まないタイプです」
言われてみれば、そうかもしれない。
けれど、何かが引っかかった。
「確かにそうかもしれませんが、アランは自分が出て行く戦すら自分で決めてしまう気がします」
口に出してみればすんなりと自分の言葉を飲み込んだ。
戦を選ぶという紅輝の発想に、紅明はキョトンとしたような表情を見せたが。
「アランは自分が納得しない事はしない。そんな気がします」
「なるほど。」
ふふ。と、なにやら含みのある笑い方だ。
「それより、今はこれです。」
差し出されたのは、やはりマグノシュダット周辺の地形だった。湾岸側に今までなかった印が記入されている。
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アオイ(プロフ) - めっちゃ嬉しいですwいつも素敵な文章ありがとうございます(*^^*) (2018年2月19日 21時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» はい。久しぶりに登場です。宜しくお願いしますW (2018年2月18日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - もちろん紅炎ですね笑笑 (2018年2月18日 14時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» ありがとうございす!ちなみ一番のお気に入りは誰ですか? (2018年2月17日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - いつも更新楽しみにさせてもらってます!!これからも頑張ってください!! (2018年2月17日 17時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
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