検索窓
今日:13 hit、昨日:12 hit、合計:43,532 hit

96話 ページ50

手綱を手渡されてみたもののアランには気がかりなことが一つあった。

「りゅーせーは、りゅーせーのかぁちゃんと、いっしょにいられなくなっちゃうの?」

紅輝は言われている意味がよくわからないように、えーーと。と、宙を(あお)ぎ見た。

「乳ばなれは済んでるよ?」
「ぼく、やだ!!かーちゃんとはなれたら、かわいそうだもん!」

ああ。
ようやく紅輝は言葉の意味を理解した。

乳ばなれすれば、親ばなれれをするのが当たり前。それがアランにはわからなかったようだ。

「流星は寂しくないよ。新しい家族が待っているんだから」

涙を浮かべたアランの目を、流星はじっと見つめていた。

「ぼくがいるよ。ずっと、ぼくがいるからね」

アランは、流星の体を()でようと手を伸ばした。
・・・が。
それを(こば)むように、流星がブルルン!!と軽く首を振ると、手綱を持っていたアランは遠心方であっさり地面に転がってしまった。

「わ!アラン!大丈夫か?」
「ほっぺいたい・・・」

顔から転がったらしい。
ぐずっと涙ぐんではいるが、アランはすくっと立ち上がり(たく)しく流星の足にしがみつこうとした。

「わぁあ!アラン、それはダメだ!!」
「う?」
「足は馬の命だ。怪我をすれば殺されることだってある。気安く触っていい場所じゃないんだよ」

驚いて、アランは流星を見上げた。
流星は何かを試すようにアランを見つめている。

「りゅーせー。ごめんね!もう、あしにぎゅってしない!おやくそく!!」


アバスとアギルが念入りに作った馬小屋が流星の家になった。
流星を一目見たアグラは「随分(ずいぶん)いい馬を貰ったもんだ」と感嘆(かんたん)の声を上げ、早速体を拭いてやると流星は大人しくされるがままに身を預けていた。
どうやらアグラの事をあっさり主人として認めたらしい。


アグラはバルバッドにいた頃、馬の世話をした経験があるらしく、紅輝が口出しすることはほとんどなかった。
その一方で、背丈が足らないアランは結局、アグラの周りをちょろちょろしているしかなかった。

「え!?馬と一緒に寝るの?」
「うん!りゅーせーがさみしくないように、ぼくいっしょにねる!おふとん、もってく!」

よいしょと自分の布団を抱えたアランに、アンナは「うるさくて流星に嫌がられるんじゃないの?」と冷たい感想をもらしたのだった。

この小説の続きへ→←95話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アオイ(プロフ) - めっちゃ嬉しいですwいつも素敵な文章ありがとうございます(*^^*) (2018年2月19日 21時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» はい。久しぶりに登場です。宜しくお願いしますW (2018年2月18日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - もちろん紅炎ですね笑笑 (2018年2月18日 14時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» ありがとうございす!ちなみ一番のお気に入りは誰ですか? (2018年2月17日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - いつも更新楽しみにさせてもらってます!!これからも頑張ってください!! (2018年2月17日 17時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年11月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。