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95話 ページ49

「私達は今まで目に見える理不尽(りふじん)なものを排除(はいじょ)しようと、結束してきた。けれど、シンが王様になって、その理不尽が一掃(いっそう)されたら。次は?次は何をするの?」

もっと。
もっと、理想の世界を。

途切れることがない欲求の先には何があるの?
シンドバッドにはそれが見えているの?

「それが、すごく怖い」





アランは、前の晩、楽しみで楽しみで眠れなかった。
紅輝が連れてきた馬は、紅輝の背丈とさほど変わらない大きさだけれど、アランにしてみれば、ぐいーーーーーーんと首を上に向けなければ、顔を見ることが出来ない大きさだった。

「さぁ。アラン、この子が今日からアランの馬だよ」
「くろいおうまさん!!か、かっこいい!!!」

触ってみたいけれど、気軽に触っていいのか、ためらうほど、美しい馬だった。
全身漆黒(しっこく)の馬で、目は思慮深(しりょぶか)く、じっとアランを見ている。
まるでこちらが値踏(ねぶ)みされているようだった。

「名前を付けやるといい」
「ぼくがつけていいの!?」
「主人はアランだからね」

確かにここに来る前に、こんな名前がいいという候補をいくつか考えてきた。
『こむぎ』とか『あずき』とか。
アンナとアンジェが可愛い名前がいいと言ったのも影響している。

けれど、この馬を目の前にした時、そんなのは吹っ飛んだ。
そんな名前はこの馬に似合わない。

「んと、うんと。『ながれぼし』がいい・・・」
「流れ星?」
「うん!おめめが、キラキラしてておほしさまみたい!」

アランを見つめる目は、まるで夜空に輝く星の海だ。

「じゃあ、カッコよくして『流星』かな。」
「りゅーせー。」

そっと手を伸ばした時だ。
流星が、ブルルンと大きく体を揺らした。

「わっ!!きゃはは!くしゃみー??おっきーね!」
「まずは、流星の世話の仕方を教えてあげる。そうしているうちに、お互いが何を考えているかわかるようになるから、そうしたら流星に乗る練習をしよう」
「ぼく、のれるの!?」
「流星と仲良くなったらね」

一気にアランのテンションは最高(ちょう)に達した。
何度も紅輝に馬に乗せてもらったが、風を切る感覚がたまらない。
自分一人で乗れるようになると聞いたら、頑張るしかない。


「おせわする!!ぼく、がんばる!」
「じゃあ、とりあえずこの手綱(たづな)を引く練習。家まで連れて帰ろうか」

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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アオイ(プロフ) - めっちゃ嬉しいですwいつも素敵な文章ありがとうございます(*^^*) (2018年2月19日 21時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» はい。久しぶりに登場です。宜しくお願いしますW (2018年2月18日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - もちろん紅炎ですね笑笑 (2018年2月18日 14時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» ありがとうございす!ちなみ一番のお気に入りは誰ですか? (2018年2月17日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - いつも更新楽しみにさせてもらってます!!これからも頑張ってください!! (2018年2月17日 17時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年11月11日 22時

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