91話 ページ45
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アルガン島の一角に建てられた煌帝国造りの屋敷。
アイラは子供達を連れて章妃を訪ねていた。
「馬をアランに?」
「ええ。気性が大人しい馬だからアラン様にどうかって。」
「そんな上等なもの、うちの子にいいのかねぇ」
「何を言っているの?良くしてもらっているのはこちらの方よ。知らない土地でもこうやって心穏やかに過ごせているのは、貴方がいるからよ。アイラ。」
「やだねぇ。照れるじゃないか」
話題に入りたがるように、アイラに抱かれたアオバが、あーあーと、小さな手を章妃に差し出した。
「もちろん、アオバちゃんもよ」
言われていることがわかるのか、にこっとアオバが笑った。
可愛くて可愛くて、この子の為ならば、どれほどの財を投じても惜しくなくなってしまう。
「かあちゃん、きのこ、いっぱいとってきた!」
手足にたっぷりの泥を付けたアランが、庭を突っ切ってきた。
抱えた
「こんなにみつけたのかい?」
「うん!ぼく、すごい?」
「凄いなんてもんじゃないよ。これだけあれば十分さ。良くやったね!アラン」
「うふふふ!ぼく、スゴイ!えっへん!」
はい。と、渡された籠の中をざっと確認してみて驚いた。どれも食料になるもの。
毒になりそうなものはない。
「ぼく、あそんできてもいい?」
「いいよ。ハルを連れておゆき」
「うんっ!ハルいくよ!」
「はい。アラン様」
もう一度確認するが間違いない。
これだけの量、キノコの種類を選別するなど、大人だって難しい。
これを、アランが・・・?
「最近、アラン変なんだよね」
「変?」
そう言って来たのはアンナとアンジェだった。
2人もキノコがはいった籠を持っているが、アランほどではない。
「夜トイレに行くの怖がってたくせに、平気そうな顔で行くようになったし。」
「探し物も上手になったのよ。置き忘れちゃって探していたらアッサリ。」
「アランも、もうすぐで6才になるんだ。育ち盛りなんだろう」
「そういう問題?」
いまいち納得いかないといった二人の様子にも頷ける。
確かに、何か。何かが以前と違う。
「あら。もうすぐ、お誕生日なの?」
「スコールの時期。3度目の満月があの子の生まれた日さ」
「素敵な数え方!!あ!そうだわ!なら、その馬をアラン様へのお祝いの品にすればいいのよ!!」
「えー!!ずるい!私も欲しいです!」
はいはい!と、主張したアンナに章妃は苦笑いをした。
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アオイ(プロフ) - めっちゃ嬉しいですwいつも素敵な文章ありがとうございます(*^^*) (2018年2月19日 21時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» はい。久しぶりに登場です。宜しくお願いしますW (2018年2月18日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - もちろん紅炎ですね笑笑 (2018年2月18日 14時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» ありがとうございす!ちなみ一番のお気に入りは誰ですか? (2018年2月17日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - いつも更新楽しみにさせてもらってます!!これからも頑張ってください!! (2018年2月17日 17時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
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