73話 ページ27
思い出すのは、ナムが死の床にあった時。
マギの力で、金属器からチャムスは実体化された。
『チャムス。僕のような弱い男を『王』に選んでくれてありがとう。おかげで、僕の人生は幸せだった。』
こうやってナムと向き合うのはいつぶりか。
家族に見守られながら、穏やかにその時を待てる王がこの世にどれほどいるのか、チャムスは知らない。
『歴史に残るような王にはなれなかったけれど、僕は君という友を得た。』
これは別れの
堪え切れない想いが、チャムスの黒い瞳に水の
我は失うのか。
ソロモン王に次いで、我を友と呼んでくれた王を失うのか。
『ありがとう、友よ。僕は君の側で眠ろう。そして、いつかその時が来たら・・・』
いらない。
いつかなどいらない！
我も眠ろう。
友の側で。
『新たな王を君に』
ナム。
お前が予見した男は、我々に背を向けたぞ。
ジンの力を不要と言い切り、懸命に走る先に何があるのか。
見てみたいと、チャムスはそう思った。
アランがアオバを抱き上げた、その瞬間、世界の色が変わった。
今まで夜空の中にいたはずなのに、見慣れた昼間の風景が広がっていたのだ。
「う？」
コッコッコッといつも通りの鳴き声をあげる鶏。
湿気を含んだ南風。
「ぼくんちだ」
きょろきょろ周囲を見回してみても自分の家だ。
確かさっきまで、マグノシュタットにいて、血だらけの紅覇が横たわっていたはずだ。
それから喋る鹿に会った。
ゆめ？？
もはや、何がどうなっているのかアランには理解できない。
「アオバ。ぼく、ゆめみてたの？？」
聞いたところで答えはない。
「あー！あー！！」
「どうしたの？きんちゃく？」
しきりにアオバが、宝物入れの巾着を気にするので、アランは手を伸ばした。
「あ！ほしだ！！」
夢の中で手にした七色の星がアランの巾着に入っていた。
持って来ちゃった！！
・・・。
「ま！いっか！」
星を巾着の中に戻し、アオバを揺りかごに戻そうと思ってびっくりした。
「あかちゃん、もうひとりいる！！」
「ぁぅ」
「なんで？！なんで？？」
ふえてる！！
・・・ぶんれつ？
くふふ！
すごぉおおい！！
はっ！！
おとーと？いもーと？
どっちだろう。
「・・・」
ぱふ。
「ついてる！うわぁああい！おとーとだぁ！」
ガラッ！！
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アオイ(プロフ) - めっちゃ嬉しいですwいつも素敵な文章ありがとうございます(*^^*) (2018年2月19日 21時) (
レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» はい。久しぶりに登場です。宜しくお願いしますW (2018年2月18日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - もちろん紅炎ですね笑笑 (2018年2月18日 14時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» ありがとうございす！ちなみ一番のお気に入りは誰ですか？ (2018年2月17日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - いつも更新楽しみにさせてもらってます！！これからも頑張ってください！！ (2018年2月17日 17時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
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