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70話 ページ24

「博愛と沈黙のジンよ。」

シャロットの右耳にあるピアスが、応えるように光り輝いた。

(なんじ)が王に力を示せ『グエンツェン』!!」

シャロットが大地に手をつけると、八芒星が依り代を中心に浮かび上がり、円柱型の光が天を(つらぬ)いた。



ゴォオオオオ!!



苦悩するかのように頭を抱えた依り代。
何が起こっているのか、頭がついていかない。

チカッ!


「あれ、なに?」

突如(とつじょ)として、依り代の胸の部分に小さく。けれど強い光を放ち始めたものが現れのだ。


「シェヘラザード様の忘れ形見さ。さ。行くよ」

あっさり、(きびす)を返したシャロット戸惑(とまど)うことしかできない。

「行くって・・・、どこに?」
「マギが2人も(そろ)っているんだ。ここまでお膳立(ぜんた)てしてやれば、あとは自分達でどうとでもできるよ」
「ご、ごめん。意味がわかんない」
「相変わらずおバカさんだね。まあいい。家の中を温めてからじゃないと、コレットが戻れないからね。僕は早く帰りたいんだ。」
「あ!だから、どこにコレットを置いてきたの!?」
「やれやれ、疲れたねぇ。ココアが飲みたい。いれておくれ」
「・・・。」

どうしてこうも、この男は自分が言いたいことしか話さないのか。
全くもって話が通じない。
果たして同じ言語を(しゃべ)っているんだろうか。

「おや。あの光が見えたようだね。向こうで何やら動きがあったようだ」

言われて振り返ると、紅炎達がいる方向から強い光が、依り代に向かって飛んでいくのが見えた。

「さて」
「わっ!」

突然抱きかかえられて、身の置き場がない。
旧知の仲とはいえ、こんなことをされたのは片手で足りるくらいしかない。

「僕から離れれば、痛みを感じる間も無く、この世から消え去るよ」
「は!?」

瞬時に、ぴたっとくっつく。
命は惜しい。

「おや。君を探しに来たのかな」
「あ・・・。」

シャロットの視線を追うと、確かにこちらに一直線向かってくる光があった。

紅炎だ・・・。

顔なんか見えなくてもわかる。
紅炎!紅炎!!!


来てくれた!!

そう、胸が高鳴った瞬間、シャロットのマントが視界を(さえぎ)ったのだった。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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アオイ(プロフ) - めっちゃ嬉しいですwいつも素敵な文章ありがとうございます(*^^*) (2018年2月19日 21時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» はい。久しぶりに登場です。宜しくお願いしますW (2018年2月18日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - もちろん紅炎ですね笑笑 (2018年2月18日 14時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アオイさん» ありがとうございす!ちなみ一番のお気に入りは誰ですか? (2018年2月17日 18時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - いつも更新楽しみにさせてもらってます!!これからも頑張ってください!! (2018年2月17日 17時) (レス) id: 07a1761182 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年11月11日 22時

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