48話 ページ48
「アンジェ。ほら、アオバより小ちゃい!」
小さいものやふわふわしたものが大好きなアンジェならば当然、この赤ん坊のことも気になって仕方ないだろうと思っていたのだが、全くこちらを見ていなかった。
「アランは・・・、アランは本当に帰ってきますか。絶対の絶対に帰ってきますか!」
「約束しよう」
ゆっくり頷いたシャロットに、アンジェの目から涙がこぼれた。
「安心おし。僕が可能といえばそれが全てさ。それじゃ、息子を頼んだよ」
翌日。
朝からシンドリアはいつも通りの活気に満ち溢れていた。
けれど、どこか緊張した空気が流れているのはレームとマグノシュダットが開戦したという報せが届いているからだろう。
そんな中、アランは背伸びをしながら1つの
昨日はシャルルカンの部屋に泊まり、すっかりアランは彼に対する警戒心がなくなっていた。
「せっかくだから、家族に土産でもどうだ?」と、シャルルカンに誘われ、朝食を取りがてら露店を冷やかしていた。
「うんとうんと、アオバはおんなのこだから、おリボンがいい!」
「お!いいな。何色がいいんだ」
みえない!とせがまれ、シャルルカンがアランを抱き上げる。
これまで見えなかったものを見下ろす形になり、アランは一気にウキウキした気持ちになった。
「アオバは、びじんだから、どれでもにあうよ!」
「わかるぜ。男って生き物は女兄弟に弱いよなぁ」
すっかり意気投合したらしく、朝から男2人騒々しい。
「アオバはおめめがあおいんだ。」
「お。それなら、揃いの青にしたらどうだ?」
「うん!」
可愛く包んでもらった袋を手に、アランはシンドリアの街を歩く。
「とぉちゃんは、おさかなとおさけがすきー。かあちゃんはくだもの!」
「全部買っていけ」
「うん!」
シンドリアは移民の国。
市に並んでいるものも様々ならば、そこで店番をしている人間も様々だ。
「いろんなひとがいるね」
「そうだなぁ。」
すれ違う人は、皆んなどこか何かが違う。
目の色が違ったり、肌の色が違ったり。
はたまた、アグラのように体の一部がどこかないものもいた。
シャルルカンが一緒だからか、気さくに声をかけられて、アランも調子よく返事を返す。
アランの世界はアルガン島だけだった。
けれどそこから出てみると、沢山の人々がいて、わけのわからない不思議なものが沢山存在している。
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薙刀桜餅(プロフ) - 飛燕さん» 10年後が楽しみですね笑更新お疲れ様です!ティラちゃんのお話は、気長にお待ちします!作者様の描きたい時に、描いていただくても大丈夫です!言い方がおかしくてすいません、これからも更新頑張ってください! (2017年8月18日 20時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» 10年後、アランの夢。アオバに理想のタイプ。兄ちゃんと言ってもらうこと(笑) (2017年8月18日 19時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - 登場人物が増えると、どんどん面白くなっていきますよね!8話のアラン君がめっちゃかっこいいです!さすがお兄ちゃん! (2017年8月18日 15時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» ありがとうございます!ティラですか~。ちょうどアオバも登場したのでいいタイミングですね! (2017年8月18日 12時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - こんばんは!続編おめでとうございます!いきなりなのですが、ティラちゃんが巫女だった時の話が読んでみたいです!! (2017年8月17日 21時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
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