21話 ページ21
夕飯の片付けを済ませていると、だぼだぼのルームウェアに着替えたシャロットが、むぅーんむぅーん、と首をひねっている。
正直に申してもいいだろうか。
出会ってから決して短い付き合いでは無いはずなのに、こんなに熱心に物事を考えるシャロットを初めて見た。
「よし!出来た」
「本当に〜?」
何が。と、わざわざ聞く必要もない。昼間からこの調子なのだから。
「この子の名は『コレット』だ。」
やけに
「えぇ?なんだか、女の子っぽくない?もっと強そうなのにしようよ」
「名ばかりでも仕方ない」
「まぁ、そうだけど。もっとさぁ。」
ぶぅぶぅ。口を
「コレット。君の名はコレット・アルパだ。僕の可愛い息子」
「あぅ〜」
手をぱたぱたさせて、かなりご機嫌だ。
「いや。だからね?この子の父親は紅炎だからね?」
『アルパ』は王家のみが許された姓だ。
当然、コレットが使うことはできない。
「はは。面白い冗談だ。君達が頼れもしない男がコレットの父親と呼べるかい?」
笑顔のままで、現実を突きつけてくる。
「僕ならば、コレットを幸せにできる男が、この子の父だと、そう考える。」
反論が・・・、出来ない。
軽々とコレットを抱き上げたシャロットは、うつむいてしまったAを窓際で呼んだ。
「ごらん。ようやく現れてくれた」
現れた??
呼ばれるままシャロットの横に並ぶと、空がカーテンのような光に包まれていた。
「わぁあ!すごい!すごい!!コレってもしかして!?」
「オーロラ」
オーロラ!!
知識としては知っていたが、初めて見た。
思わず無言で見上げてしまう。
赤い帯のようにゆらゆら揺れていると思えば、緑の光が現れ、黄色や青が混ざり始める。
「すごい・・・!」
「気に入ったかい?」
「うん!」
先ほどまで沈んだ気分だったというのに、あっさり現実問題そっちのけで、気分は浮上だ。
もっとよく見ようと、窓にへばりつく。
「ふふ。君に喜んでもらえたならば、この国を選んだ
「え。こ、このためだったの!?」
「女性は美しいものが好きだろう?」
そ、それは、そうだけど。
「君は母であると同時に女性だからね」
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薙刀桜餅(プロフ) - 飛燕さん» 10年後が楽しみですね笑更新お疲れ様です!ティラちゃんのお話は、気長にお待ちします!作者様の描きたい時に、描いていただくても大丈夫です!言い方がおかしくてすいません、これからも更新頑張ってください! (2017年8月18日 20時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» 10年後、アランの夢。アオバに理想のタイプ。兄ちゃんと言ってもらうこと(笑) (2017年8月18日 19時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - 登場人物が増えると、どんどん面白くなっていきますよね!8話のアラン君がめっちゃかっこいいです!さすがお兄ちゃん! (2017年8月18日 15時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» ありがとうございます!ティラですか~。ちょうどアオバも登場したのでいいタイミングですね! (2017年8月18日 12時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - こんばんは!続編おめでとうございます!いきなりなのですが、ティラちゃんが巫女だった時の話が読んでみたいです!! (2017年8月17日 21時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
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