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3話 ページ3

《 シンドリア 》

ココナッツの甘い匂いをさせながら、シンドリアはその繁栄を満喫(まんきつ)していた。
シンドバッド王や八人将の守護の元、人々は歌い笑い、今日と変わらぬ明日を過ごす。
それがどれ程(とおと)いことか。
ここにたどり着いた人々は痛いほど知っていた。


このシンドリアの国王であり、世界中から様々な名声を欲しいままにしているシンドバッドは、『ルフの瞳』から流れてくる映像と会話をしていた。

「そうか。練 紅炎には知らないと突っぱねられたか」
『はい。せっかくシンドバッド王にお力添えをいただいたというのに申し訳ありません』

セトだ。
思ったような結果が出ず、申し訳なさそうに項垂(うなだ)れる姿からは、真面目な人柄が伺える。

「いや。とにかくこちらでも捜索(そうさく)に人員を増やそう。」
『ほ、本当ですか!?』
「当然のことさ。Aは俺の友でもある。セトはとりあえず、バルバッドを離れ、シンドリアに戻るんだ。戦に巻き込まれたら、命の保証は出来ない」
『はい!ありがとうごいます!シンドバッド王!!』

笑顔を見送りながら、映像を切ると、成り行きを見守っていたジャファールが深いため息をついた。

「バルバッドにはいませんでしたか」
「そう決めつけるのはまだ早い。練紅炎の子供を出産するのならば、ヤツに助けを求めるのが最も手っ取り早い」

先ほどまでとは人が変わったような表情に、ジャファールの不安は(つの)る一方だ。

思い起こせば半年前。スパルトスから驚くべき報告がやって来た。

『に、妊娠?Aが、ですか?』
『間違いなく』

二の次が繋げられなかった。
妊娠が問題なのではない。問題は子供の父親だ。

『父親は?練 紅炎の子供ですか?』
『ハッキリした答えはありませんでしたが、反応からみて間違い無いかと。』

何故、こんな時期に・・・。
混乱するジャファールを他所(よそ)に、黙って報告を聞いていたシンドバッドは、人好きする笑顔を見せた。

『すぐにAをシンドリアに連れ戻すといい。』
『シン?』
『父親が誰であろうと、子供ごとAを手中に収めれば、どうということはない。頼んだぞ。スパルトス』
『は!』

けれど、Aは大人しく(したが)うフリをして、逃亡を果たした。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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薙刀桜餅(プロフ) - 飛燕さん» 10年後が楽しみですね笑更新お疲れ様です!ティラちゃんのお話は、気長にお待ちします!作者様の描きたい時に、描いていただくても大丈夫です!言い方がおかしくてすいません、これからも更新頑張ってください! (2017年8月18日 20時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» 10年後、アランの夢。アオバに理想のタイプ。兄ちゃんと言ってもらうこと(笑) (2017年8月18日 19時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - 登場人物が増えると、どんどん面白くなっていきますよね!8話のアラン君がめっちゃかっこいいです!さすがお兄ちゃん! (2017年8月18日 15時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» ありがとうございます!ティラですか~。ちょうどアオバも登場したのでいいタイミングですね! (2017年8月18日 12時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - こんばんは!続編おめでとうございます!いきなりなのですが、ティラちゃんが巫女だった時の話が読んでみたいです!! (2017年8月17日 21時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年8月11日 6時

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