検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:55,196 hit

25話 その3 ページ13

端々から聞こえてく話をつなぎ合わせると、Aはこの紅明という男の兄の恋人だか婚約者らしい。
相当な身分の家らしく、身元が不確かなものを敷地内に入れることは禁じられているようだった。
チャイを看病するために、紅明という男に話をしているらしいが、懇願するAを他所に紅明は首を横に振っていた。

「大体、貴方が自ら介抱する必要はありません。なんでしたら私の方で預かります」

ビクっと体が震えた。
紅明はAには優しく宥めるように話をしているが、チャイには違う。

明らかに、排除しようとする目。

チャイが怯えているのに気が付いたのだろう。
Aがどうかと懇願した結果、いくつかの条件と、体力が回復するまでという期間を設けて置いてもらえることとなった。

それからは怒涛の日々だ。
いつの間にか買い取られた先からAのもとに引き取られ、次いで第三皇子の従者宅に引き取られる事になったのだ。

後から聞かされた話では、あの女は第一皇子、練 紅炎の寵姫だったそうだ。
もともとは市井の出で、しっかりとした後見人もいない。
けれど、次男、三男。さらには、他の姫君たちからも愛され、やがては紅炎の子を産むだろうと言われている女。

その寵姫が道端で拾い、直接介抱をした娘。
それは、Aと関係を持ちたい臣下たちには絶好の獲物だった。

結局は、第三皇子に仕える下級従者の元に引き取られ、使用人の地位を与えられた。

A様に感謝するように。と、この家の主人は言った。
A様が引き取り、紅覇様が口をきいてくださったからこそ、早々に奴れいという立場から解放されたのだと。

冗談じゃない!!!
事態は最悪だ。あと2年だったというのに、未来永劫ここで働き続けろと言うのか。

私は煌帝国の使用人になりたかったわけじゃない。家族の元へ戻りたいのだ!

あの女!!
あの女のせいで!

紅炎と言えば、「炎帝」と呼ばれる皇子。諸悪の根源。
悪魔の女は所詮、悪魔だった。

憎い!憎い!!!この国の全てが!

「思い知らせてやる」

私達の叫びを思い知らせてやる!
私達の苦しみを味わせてやる!

必ず、復讐してやる・・・・!!!!

26話→←25話 その2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
75人がお気に入り
設定タグ:マギ , 練紅炎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白夜 - ショ、ショタだ (2014年12月7日 21時) (レス) id: c4aa6ec47d (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 白夜さん» え!登場しないから!?うん!でも、ほら!道なきの方で活躍してるから (2014年11月17日 20時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - こーくんかわいそう・・・ (2014年11月17日 19時) (レス) id: 1769d2b610 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 白夜さん» 更新が遅れていて大変申しわけありません。本編再開です。紅炎は一切出てきませんが今後に関わってくるお話です。 (2014年11月16日 20時) (レス) id: da72338801 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - ありがとうございます! 思わず叫んでしました! (2014年11月13日 16時) (レス) id: 1769d2b610 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2014年9月29日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。