131話 その3 ページ23
「はっ!!待って、みんなにお知らせもしないと!!」
「だ、だから!あの、そういう事はしなくても・・・」
「あー!!!!」
なんとか丸く辞退しようとしていたAの声をかき消すように、アンジェの声が家中に響いた。
「祝い事には音楽が欠かせないよね!」
「「「あっっ!!」」
ハッッ!!
と、子供達全員が固まっている。
え・・・。そこ!?
「マズイ!
アギルの質問に、はーい!と、小さな手が上がった。
「ぼく、『ながれぼしのしま』がイイ!」
アラン、オススメ『流れ星の島』は、真夏に開かれる祭りで欠かせない一曲である。
夜空に一条の線を引いて流れる、星の美しさを歌った名曲中の名曲らしい。
が。
「祝い事なんだ。流れちゃマズイだろ」
「う??」
大人の事情は、アランにはまだわからない。
「私は『渡り鳥』がいいなぁ」
アンジェ、オススメ『渡り鳥』は、北から南下してくる鳥たちの愛らしさ、生命の力強さを歌った曲である。
島で卵を産み、成長した子供達は親とともに再び北へ渡っていく。
確かに内容的に間違ってはいないが・・・。
「『渡る』のもダメだろ」
「結婚式だから、お祝いの曲がイイよね!えーと・・・、『
「馬鹿にしてんのか!」
「いいじゃない!食べ物に困りませんように!って意味だってあるんだから!」
「そりゃそうだけど。もっと、こう、華々しいのがいいだろ!」
「も〜、怒ってばっかり!!じゃあ、兄ちゃんはなにがいいの!?」
不満顔なアンナに切り替えされて、アギルは、待ってました!とばかりの、ニンマリ。
「俺かー?俺は〜、『
「太鼓の連打ばっかの曲じゃん!!やだっ!!」
「『遠雷』だって、結婚式関係ないじゃない!!」
「ばっ!!ビシッと決まれば、カッコイイだろー!勇ましくて紅さんにぴったりだ!なっ!アラン!アランもわかるよなー!男のロマン!」
「ぼく、『えんらい』は、おどれないからやだ!!」
アランまでもが反対派に回り、ぎゃあぎゃあと、一向に決着を見ない方向に話が進んでいく。
こ、これはどうすれば・・・。
「先生だ!!!」
突然、ものすごい勢いでアンナが立ち上がった。
「え?」
紅明??
「いないよ??」
「先生の足音がした!!」
「お前は犬か。」
思わずと言った紅炎のツッコミも再び無視して、アンナは玄関にダッシュして行った。
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飛燕(プロフ) - shinox2さん» お待たせしました!鯨波の声始まりました!宜しくお願いします (2017年4月4日 23時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 白羅さん» 白羅さん。コメントありがとうございました!続編開始です。宜しくお願いします。 (2017年4月4日 23時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - やだ、最新作♪♪アラン頑張れ!なんだけど紅炎何があった!? 乞うご期待ってヤツですね( 〃▽〃) (2017年3月18日 22時) (レス) id: 2f52f37027 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - コメントありがとうございます! しばらくは別の話に力を入れ、落ち着いた頃に続き物が書ければ良いなと思っています。本当にありがとうございました! (2017年3月4日 21時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
白羅(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです(*´ω`*)お疲れ様でした! (2017年3月3日 13時) (レス) id: 4053be4a89 (このIDを非表示/違反報告)
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