星を抱くもの 19 ページ27
双子は顔を見合わせた。
遅かったとはどういう意味か。
白鳳はゴクリと唾をのみ、白凰は祈るように手を組んだ。
その目は不安に染まっている。
「しゃあねぇなぁ」
ひょいっと双子を
トン！トン！といくつかの屋根を駆け、一番高い所から見た景色に双子は息をのんだ。
正殿前の広場に、煌帝国中の兵士をかき集めたのではないかというほどの人間がひしめいている。
バタバタとはためく煌帝国の
「ど、どうしたんですか？これは」
恐ろしささえ感じるその光景に、
「はぁあ？自分の国のコウテイヘイカが突然消えたんだぞ。そりゃ、こうなるだろ。」
「アランくんをたすけにいってくれるんですか？！」
ぱぁあああっと、白凰は表情を明るくしたが、ジュダルの次の言葉に
「いや。むしろ『アラン君』をお仕置きにいくんじゃねぇか？」
冷静に考えれば、白龍は突然強制的に煌帝国から姿を消したのだ。
普通に誘拐事件である。
「た、たいへんだ！！ごかいをとかなくちゃ！」
「どうしよう！白鳳！」
どうしようどうしよう、と、子ネズミのようにチョロチョロし始めた双子を見て、ジュダルは、ぶはっ！！っと噴き出した。
「ぎゃははは！ぶははは！あーーーはははは！！
爆笑するジュダルをしばらく
「ボクたちをだましたんですか？！」
「ヒーーー！腹痛てーー！」
それは本当なのだろう。
腹を抱えてひーひー言っている。
「あー、笑った。笑った。」
むぅううっと同じ顔が２つ
「ぶはっ！！」
再び笑い始めたジュダルを見た白鳳は「行こう！！」と、白凰の手を引いた。
「まぁ、待て待て。くくっ。」
「なんですか」
白鳳は
もはや双子の中でジュダルの評価はダダ下がりだ。
「久しぶりに笑かして貰った礼に良いことを教えてやるよ。」
お前達は、この国の皇子と皇女なんだぜ？
＊
『カリッア、カリッア！！！しっかりして！カリッア！！』
アランはカリッアに向かって必死に呼び続けた。
『おへんじして！カリッア！！』
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