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星を抱くもの 18 ページ26

そうだねぇ、と、興味なさげな返事を返しながら、シャロットは周囲を見渡した。

「流星、彼らは君の知り合いかい?」

体のどこかを失った男達のほとんどが(しかばね)と化しているが、何人かはまだ息がある。

「そうだ。アランに忠誠を誓った!仲間だ!」
「なるほど。彼らの死傷が暴走のきっかけか」

ふむ、ふむ。

これだけのルフの暴走だ。
アランの方にも影響が出ていると思って間違いないだろう。

「紅炎。向こうは頼めるかい?僕は黒ルフの暴走を抑えよう。」

承知の意思を伝えた紅炎は、珍しく余裕を失くした様子の流星の首根っこを引っ張った。

「おい、馬。手伝え」
「でも、カリッアが!!」
(やかま)しい。さっさと息があるものを集めろ。馬らしくな」

ニヤッと極悪な笑みを見せた紅炎に、流星は「一言多い!」と激昂(げっこう)したのだった。




マグノシュダットから移動魔方陣で煌へ飛んだ双子は、紅明がいる宮殿に急いだ。

留学中のはずの双子が行儀作法を無視して走る姿に、官吏達は驚いて振り返ったが、いちいち相手にしている暇はない。

「まって、白鳳!にわをよこぎったほうがはやいよ!」
「あ、そっか!」

大人では通れない所も体が小さい子供ならば、すんなり通れる。

無駄に広い宮殿にイライラしながら双子は必死に走った。

どれくらい走っただろう。

息が切れる。
脇腹がいたい。

それでも手に手をとって走り続けた。

友のために。

「あ?白龍のガキじゃねぇか。なぁにしてんだ?」

声がした方を見ると、ジュダルが木の上に寝そべりながら桃を(かじ)っている所だった。

「「マギ様!」」
「だーーー!イチイチハモるなよ!うるせぇ!」

ひょいっと木から舞い降りたジュダルに、双子はしがみついた。

「あ??」

いつもなら怖がって近寄って来ないのに、今日は逃がさないとばかりだ。

「マギ様!アランくんをたすけてください!」
「は?チビがどうした」

豊潤(ほうじゅん)な甘い香りと話の内容がマッチしていない。

「くろいルフが!アランくん、アランくん!!」
「……ひょっとして白龍が突然消えたアレはチビがやったのか?」

双子は必死で頷く。

「で?お前達は何でここにいるんだ?マグノシュダットに行ってたはずだろ」
「父上から、煌帝国のそうりょくをけっしゅうして、じたいにあたるように、と、いわれました!」

「そりゃ、ちと遅かったな」

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年12月12日 20時

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