星を抱くもの 18 ページ26
そうだねぇ、と、興味なさげな返事を返しながら、シャロットは周囲を見渡した。
「流星、彼らは君の知り合いかい?」
体のどこかを失った男達のほとんどが
「そうだ。アランに忠誠を誓った!仲間だ!」
「なるほど。彼らの死傷が暴走のきっかけか」
ふむ、ふむ。
これだけのルフの暴走だ。
アランの方にも影響が出ていると思って間違いないだろう。
「紅炎。向こうは頼めるかい?僕は黒ルフの暴走を抑えよう。」
承知の意思を伝えた紅炎は、珍しく余裕を失くした様子の流星の首根っこを引っ張った。
「おい、馬。手伝え」
「でも、カリッアが!!」
「
ニヤッと極悪な笑みを見せた紅炎に、流星は「一言多い!」と
*
マグノシュダットから移動魔方陣で煌へ飛んだ双子は、紅明がいる宮殿に急いだ。
留学中のはずの双子が行儀作法を無視して走る姿に、官吏達は驚いて振り返ったが、いちいち相手にしている暇はない。
「まって、白鳳!にわをよこぎったほうがはやいよ!」
「あ、そっか!」
大人では通れない所も体が小さい子供ならば、すんなり通れる。
無駄に広い宮殿にイライラしながら双子は必死に走った。
どれくらい走っただろう。
息が切れる。
脇腹がいたい。
それでも手に手をとって走り続けた。
友のために。
「あ?白龍のガキじゃねぇか。なぁにしてんだ?」
声がした方を見ると、ジュダルが木の上に寝そべりながら桃を
「「マギ様!」」
「だーーー!イチイチハモるなよ!うるせぇ!」
ひょいっと木から舞い降りたジュダルに、双子はしがみついた。
「あ??」
いつもなら怖がって近寄って来ないのに、今日は逃がさないとばかりだ。
「マギ様!アランくんをたすけてください!」
「は?チビがどうした」
「くろいルフが!アランくん、アランくん!!」
「……ひょっとして白龍が突然消えたアレはチビがやったのか?」
双子は必死で頷く。
「で?お前達は何でここにいるんだ?マグノシュダットに行ってたはずだろ」
「父上から、煌帝国のそうりょくをけっしゅうして、じたいにあたるように、と、いわれました!」
「そりゃ、ちと遅かったな」
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