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星を抱くもの 17 ページ25

「2人とも至急、煌に帰還(きかん)せよ」
「「父上!!」」

抗議の声を(さえぎ)るように「そして」と、続けた。

「紅明にこの事を伝え、煌帝国のマギ、金属器使い、眷族、魔導師の力を結集するのだ。事態は急を要する。出来るな?」

「「はい!父上!!」」

走っていった子供達を見送った白龍は、(かたわ)らにある金属器を握り直した。


「アラン、聞こえるだろうか」


白龍は、巻き起こる渦をものともせずアランの元へと歩みを進める。

「君は今更と笑うかもしれないが」

今でも思い浮かぶのは、自分が手にしている(やり)でアランに突き刺した光景。

「ようやく、(つぐな)いが出来る」

白龍は笑った。
この状況を歓迎(かんげい)するように。

金属器に力強い光が宿る。


『ザガン!!』




勇敢(ゆうかん)なものほど早死にする。
高い志を持つものほど苦しみは続き。
正直者程バカを見る。


アランは幸運だったに過ぎない。


流星は何が起こっているのかわからなかった。
カリッアから(あふ)れ出す黒いルフが、止める間もなく、人を炭に変えた。


「う……、わ!ぎゃあ!ば、化け物!!」
「に、逃げろ!!」

私兵達から悲鳴が上がった。
その動揺は大きく広がり、統率も戦意も失くした集団はあっという間に逃げていった。

「お、おい?カリッア……?なにやって…、何やってんだよ!お前は!!!」


お前、そんなやつじゃないだろう!


「触るな!!!」


ビクっと流星は手を引いた。

突如(とつじょ)として姿を現したのは、シャロットとアガレスで小型化した紅炎だ。

「全く、これは一体どういう状態だい」

黒いルフに包まれたカリッアを見てシャロットは顔をしかめた。

「言っている場合か」

魔装を解いた紅炎はもとの姿に戻った。

「グエンツェンで子供の姿にされるのが嫌だからって、わざわざ魔装した君が言うことかい」

やれやれ。と、わざとらしいポーズを取ったシャロットに紅炎の青筋が浮かぶ。

相変わらずの仲良しぶりだ。

「そんなことはどうでもいい!カリッアを助けてくれ!頼む!!」

流星の懇願(こんがん)に、紅炎は(なが)めるように状況を確認した。

「黒いルフが暴走しているにもかかわらず、これだけの量のルフに耐えてる。さすがアランの肉体か」

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年12月12日 20時

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